第一章 アドプロという会社
2011年07月23日
「お電話変わりました、八木です。はい、今日の6時ですね。よろしくお願いします。」。
僕は従業員数では大手製作プロダクションの範疇に入る会社、アドプロに勤務するコピーライター。たった今、取引先である佐々木広告社から、仕事の依頼を受けたところでした。
このアドブロ、確かに人数は多いが、会社としての組織がなってなく、親会社である活版印刷の仕事以外はすべて八木が引き受ける、といった状態であった。
また、コピーライターといっても文章を書いているだけではなく、打ち合わせに出掛け、企画を立て、スケジュールを管理し、デザイナーにディレクションをし、さらに見積もりもするのが、アドブロでのコピーライターの仕事であった。
僕は昨年、佐々木広告社が大手自動車メーカー、新田自動車の競合プレゼンで運良く仕事が取れ、それ以来分信用が生まれたのか、佐々木広告社の仕事の大半をこなすことになった。
僕はこのところ大変疲れていた。オーバーワークなのである。なにしろ朝の9時から朝の2時まで毎日慟きづくめ、日曜だけは何とか休んでいる、といった状態が半年も続いていたのであった。一応、売れっ子コピーライターの仲間入りをしたのかなぁ?って、思ってもいいでしょ。
だが、僕の務める会社には個人の能力を評価するシステムはない。会社が信じていることは一つ、それはお金であった。八木はそんな会社に不満を抱きながらも、たんたんと、来る仕事をこなしつづけなければならなかった。
6時。僕は約束どおり佐々木広告社に出向いた。そして受付嬢に彼を呼んだ本人、根掘部長を呼んでもらった。まもなく応接に通され根掘部長を待った。根掘部長は32才、佐々木広告社では異例の出世をした、辣腕部長である。
「なんか今日は大袈裟だなあ。」と八木は感じていた。「俺なんかめったに応接には通されないのに。」
しばらくして、根掘部長が現れた。彼はメインスポンサーである新田自動車の新聞やカタログを抱えていた。
「再来月、ここで新田自動車主催でモーターショーがある。昨年の11月に東京モーターショーで展示した新田自動車の車をこっちにもって束てイベントを行い、販売促進に役立てるんだそうだ。イベントの方は、東京の時報堂が仕切るのはもう決まっている。で、今日、新田自動車からその告知として新聞を使うのだが、それをデザインコンペにするので参加して欲しいと、いわれたわけだ。ざっと概略はこんなもん。わかった?。」
「はい!。」
僕はなぜだか、やる気に満ちた張りのある声で答えていた。そもそも新田自動車の仕事といえば、販売会社の週末の新聞かチラシとだいたい相場は決まっている。毎回同じパターンに食傷気味だった僕にとっては+分魅力ある仕事。僕はやや興奮ぎみに、打ち合わせを続けた。
佐々木広告社の根掘部長はいつも話が長いのが欠点。何度も同じことを繰り返し、一つの打ち合わせに3時間はかかるのは定例のことだった。今日の八木にはどうでも良いことであった。
やがて、時計が9時を回るころ夜食の出前を注文した。ほどなく出前はやって来た。僕は根掘部長と一緒に夜食を食べながら、雑談を始めた。そのときである。佐々木広告社の佐々木社長が奥の部屋から応接に入って来だのは。
「きみ、八木君だっけ、こんな時間まで打ち合わせ、ご苦労さんだな。」
といって、僕の隣に座った。八木は初めて会話する佐々木社長に多少とまどった。一応、社交辞的なことをしゃべり、その場を繕っていた。と、そのときである。根掘部長の口から、思いもしなかった言葉が発せられた。
「お前、うちの会社に入らないか?。」
佐々木社長がその後を続けた。
「どうせ製作会社なんて、35識で定年みたいなもんだし、うちに入れ。うちはバックがアースリースだし、会社はしっかりしている。若いうちが花だぞ。」
ヘッドハンティング。
僕は嬉しいような、恥ずかしいような、何ともいえない気持ちになった。根掘部長と佐々木社長の話は、この後30分くらい続いた。時計が10時を回ったころやっと打ち合わせは終わった。佐々木広告社を出るとき、根掘部長は念を押すようにこういった。
「さっきの伴、本気で考えておいてくれよな。それじゃまた。」
僕は足取りも軽く、会社に戻った。会社にはほとんど人はいなかった。自分のデスクに座った。いまさっき起こったことが嘘のようでたまらない。
「さっきの話、いい話ではあるけどなあ?。」
と、独り言をいった。そして、いつもの様にたんたんと仕事を始めた。
僕が働くアドブロは毎月のように組織変更がある。今度は、企画部門の強化のため企画ディレクターを入れる事が決まった。当然、八木もコピーライターなので今回の組織変吏の影響を受けるのであったが、いつもの事と思い、聞き流していた。
翌日、会社に出社すると席替が始まっていた。そのディレクターは八木の上司になることになっていた。突然のことだったが、いつもの様にたんたんと聞き入れ、その席についた。「今度は企画部を作るのが?」。僕はやっと会社の意図を理解した。そのとき、一人の男が専務と一緒に入って来た。
「ちょっと手を休めてください。今日から企両部の企画課長になる、田尻さんです。皆さん、よろしくしてやってね。」
と全社員の前で専務が告げた。とてもテキトーな紹介だった。なんせ僕が務めるアドプロは毎月だれかが退職し、毎月だれかが入社してくるといった、実に定着率の悪いブラック企業だったのである。
「この人もすぐ辞めるんだろうなあ。」
ほどなくして、僕は田尻さんを紹介された。田尻課長の席は僕の隣と決まった。田尻課長は自己紹介を始めた。
「僕はいままで出版のほうをメインにやって来たんだけと、よく活版印刷さんとは一緒に仕事をしてきて、今回活版印刷さんから、ここにいってみないか、ということでここにきた、というわけだ。はっきりいって広告のほうは良くわからない。でも、出版の企画や文章ならだれにも負けないと思っているからそちらの方向でこの企画課を延ばしていきたいのでよろしく!。」
田尻課長は力強くこういった。そのあと、企画課にもう一人入ることを聞いた。課長がいうには、フィニッシュの福島くんだそうだ。彼のかつての希望により、コピーライターに抜擢されたそうだ。だが、芽がでなければまたフィニッシュに戻るそうである。僕はなんとなく楽しい気分になって来た。今まで何でも一人でやってきた僕にとっては味方が出来たようで、なんとなく心強いのである。少したって福島君がやってきた。三人揃ってやっと企画課の始まりである。その日の夜は歓迎会ということで、飲み明かした。
それから約3ヵ月がたっただろうか。八木はいつもの様にマイペースでたんたんと仕事をこなしていた。そして田尻課長のもとに大きな仕事の知らせが届いた。地元の新聞社のハウジング年鑑の編集の仕事である。田尻課長の手腕の発揮所である。
そこでまた組織替えが始まった。田尻課長と福島君は3ヵ月間みっちりその仕事だけをすることとなり、僕はまた一人でその他の仕事をいってに引き受けることになった。僕にとってはなにも嬉しくない決定だった。さらに嬉しくないことに、僕は10入ほどのデザイナーを部下に持ち、ディレクションの毎日となった。とても、コピーを書いている暇はなかった。コピーを書くのはいつも決まって、夜の10時以降となっていた。
「俺ももう歳だし、そろそろ辞めようかな。」ふとそんなことを考えていた。
約3ヵ月が過ぎ、企画課はもとの平穏な形に収まった。田尻課長は大体会社のことについて分かってきたようであった。しかし、それにともない会社に対して不満も大きくなって来たようだ。それはつまり会社はお金のことしか考えてなく、良い仕事をしようとか付加価値を高めようとかは、全く考えていないことにであった。
田尻課長の苛々は日を追う事に大きくなって行くようだった。僕も元の鞘に収まりいつも通り、マイペースでたんたんと仕事を続けて行くのであった。
それから半年は過ぎたであろうか。また、組織替えが始まった。企画課は本社を出て別のビルに拠点を移すことになった。別のビルは本社から歩いて5分、そう遠くない距離だが、精神的にはものすごく遠く感じる。僕にとっては災難であった。僕はデザイナーと組んで初めて仕事になるタイプなのである。僕は佐々木広告社から仕事が入るたびに、本社まで打ち合わせに行く事になってしまった。苛立った。
「今までなら1時間で終わる仕事が、30分余計にかかるんだなあ。本当に仕事がやりづ
らいよ。じゃあ、本社に打ち合わせに行ってくるからね。」
僕はそう言い残して本社に向かった。かくいうなかれ、事実、田尻課長も福島君も仕事のはかどりが悪く、苛々は日を追う事に増していった。
「課長、なんで俺たちだけが、こんなに不便な所で仕事をしないといけないんですか?!」
福島君はむっとした表情でいった。
「福島君、きっと僕らに辞めてほしいんじゃないの、会社は。僕だってやってらんないよ。企画課を作って会社の新しい核を作ってくれ、ということで入社したのに、これじゃ飼い殺しだよ。」
「ただいま。」
僕はこのとき本社から帰って来た。
「八木くん。八木くんはどう思う。僕たちの置かれた立場を。」
唐突に田尻課長はたずねた。
「一種のいじめ、じゃないですか。本社にはいてほしくないんでしょ。夜も寝ないで慟いてこうだもんなぁ」
僕は自虐的に言った。それからこの話は、堰を切ったように続き、約1時間程したところである結論が出た。
「八木君、福島君、僕はこの会社を辞めて独立するよ。もうやってらんない。あした、専務に退職届をだす。長である僕が最初に辞めるのは、みんなに悪いんだけど、僕にも僕の人生があるから、きっぱり辞める。」
田尻課長はこう言い放ってタイムカードを押しにいった。
「あしたの朝は直接専務のところにいってくるから。それじゃお先に。」
僕と福島君はあっけに取られていた。ようやく落ち着いた所で、福島君が何かを決断したように口を開いた。
「八木さん。僕もこの会社を辞めます。就職先、探します。八木さんはどうするんですか?。」
「おれ?。俺はゆっくり考えるよ。それよりもお前、行くあてがあるのか。よかったら、俺が紹介してやるよ」
「ありがとうございます。」
僕はこの後、自分にふりかかってくる災難も考えずに、後輩の面倒を見るのであった。
それから2週間後、田尻課長が退職したと同時に企画課は解散した。新しく借りたビルからまた引っ越しである。僕と福島君は、本社のデザイン課のはずれに席をもらい、電話もない場所で仕事をしなければならなかった。僕は取引先を担当している手前、電話が多いのである。電話がくるたびに、少し離れたデザイナーの所へ行き、立ったまま受け答えをしなければならなかった。
「畜生、俺に仕事をするなっていうのかよ。やってらんねえ。」
僕は電話がくるたび怒っていた。自分も早く辞めようと思った。
「~うちの会社に来ないか?~」
僕は佐々木広告社の根掘部長の言葉を思い出していた。
「八木さん、電話ですよ」
遠くから呼ぶ声が聞こえた。
「はい、お電話変わりました、八木です。」
「あ~どうも。」
「え~そうですか。大丈夫かもしれない。」
「さっそく本人に伝えますので、よろしくお願いします。本当にありがとうございます。」
僕は福島君を呼んだ。
「今、製作会社のミントの本田さんから電話で、やる気があるなら面接を受けてみないか、って電話が来たんだよ。どうだ、いい話だろう。受けてみるか?。」
「はい、ぜひとも。」
僕はまず後輩である福島君の就職先が決まったら自分のことをやろうと考えていた。
それから3日後には福島君はミントに就職が決まった。
そして僕は佐々木広告社の根掘部長に会いに行き、例の話は今でも本気かどうかたずねた。
「八木くん、やっと気が変わってくれたね。うちはいつでもOKさ。」
心強い話だった。僕はその場で就職させてほしい旨を、今の会社の現状を交えて訴えた。製作会社から広告代理店への転職である。不安がないわけではなかったが、今の僕にとってはこれがベストの選択だと思っていた。
それから2週間ほどして福島君は退社して行った。それを見届けるように僕は退職届を提出した。
退職届の提出から2週間後、僕は佐々木広告社に入社した。
僕は従業員数では大手製作プロダクションの範疇に入る会社、アドプロに勤務するコピーライター。たった今、取引先である佐々木広告社から、仕事の依頼を受けたところでした。
このアドブロ、確かに人数は多いが、会社としての組織がなってなく、親会社である活版印刷の仕事以外はすべて八木が引き受ける、といった状態であった。
また、コピーライターといっても文章を書いているだけではなく、打ち合わせに出掛け、企画を立て、スケジュールを管理し、デザイナーにディレクションをし、さらに見積もりもするのが、アドブロでのコピーライターの仕事であった。
僕は昨年、佐々木広告社が大手自動車メーカー、新田自動車の競合プレゼンで運良く仕事が取れ、それ以来分信用が生まれたのか、佐々木広告社の仕事の大半をこなすことになった。
僕はこのところ大変疲れていた。オーバーワークなのである。なにしろ朝の9時から朝の2時まで毎日慟きづくめ、日曜だけは何とか休んでいる、といった状態が半年も続いていたのであった。一応、売れっ子コピーライターの仲間入りをしたのかなぁ?って、思ってもいいでしょ。
だが、僕の務める会社には個人の能力を評価するシステムはない。会社が信じていることは一つ、それはお金であった。八木はそんな会社に不満を抱きながらも、たんたんと、来る仕事をこなしつづけなければならなかった。
6時。僕は約束どおり佐々木広告社に出向いた。そして受付嬢に彼を呼んだ本人、根掘部長を呼んでもらった。まもなく応接に通され根掘部長を待った。根掘部長は32才、佐々木広告社では異例の出世をした、辣腕部長である。
「なんか今日は大袈裟だなあ。」と八木は感じていた。「俺なんかめったに応接には通されないのに。」
しばらくして、根掘部長が現れた。彼はメインスポンサーである新田自動車の新聞やカタログを抱えていた。
「再来月、ここで新田自動車主催でモーターショーがある。昨年の11月に東京モーターショーで展示した新田自動車の車をこっちにもって束てイベントを行い、販売促進に役立てるんだそうだ。イベントの方は、東京の時報堂が仕切るのはもう決まっている。で、今日、新田自動車からその告知として新聞を使うのだが、それをデザインコンペにするので参加して欲しいと、いわれたわけだ。ざっと概略はこんなもん。わかった?。」
「はい!。」
僕はなぜだか、やる気に満ちた張りのある声で答えていた。そもそも新田自動車の仕事といえば、販売会社の週末の新聞かチラシとだいたい相場は決まっている。毎回同じパターンに食傷気味だった僕にとっては+分魅力ある仕事。僕はやや興奮ぎみに、打ち合わせを続けた。
佐々木広告社の根掘部長はいつも話が長いのが欠点。何度も同じことを繰り返し、一つの打ち合わせに3時間はかかるのは定例のことだった。今日の八木にはどうでも良いことであった。
やがて、時計が9時を回るころ夜食の出前を注文した。ほどなく出前はやって来た。僕は根掘部長と一緒に夜食を食べながら、雑談を始めた。そのときである。佐々木広告社の佐々木社長が奥の部屋から応接に入って来だのは。
「きみ、八木君だっけ、こんな時間まで打ち合わせ、ご苦労さんだな。」
といって、僕の隣に座った。八木は初めて会話する佐々木社長に多少とまどった。一応、社交辞的なことをしゃべり、その場を繕っていた。と、そのときである。根掘部長の口から、思いもしなかった言葉が発せられた。
「お前、うちの会社に入らないか?。」
佐々木社長がその後を続けた。
「どうせ製作会社なんて、35識で定年みたいなもんだし、うちに入れ。うちはバックがアースリースだし、会社はしっかりしている。若いうちが花だぞ。」
ヘッドハンティング。
僕は嬉しいような、恥ずかしいような、何ともいえない気持ちになった。根掘部長と佐々木社長の話は、この後30分くらい続いた。時計が10時を回ったころやっと打ち合わせは終わった。佐々木広告社を出るとき、根掘部長は念を押すようにこういった。
「さっきの伴、本気で考えておいてくれよな。それじゃまた。」
僕は足取りも軽く、会社に戻った。会社にはほとんど人はいなかった。自分のデスクに座った。いまさっき起こったことが嘘のようでたまらない。
「さっきの話、いい話ではあるけどなあ?。」
と、独り言をいった。そして、いつもの様にたんたんと仕事を始めた。
僕が働くアドブロは毎月のように組織変更がある。今度は、企画部門の強化のため企画ディレクターを入れる事が決まった。当然、八木もコピーライターなので今回の組織変吏の影響を受けるのであったが、いつもの事と思い、聞き流していた。
翌日、会社に出社すると席替が始まっていた。そのディレクターは八木の上司になることになっていた。突然のことだったが、いつもの様にたんたんと聞き入れ、その席についた。「今度は企画部を作るのが?」。僕はやっと会社の意図を理解した。そのとき、一人の男が専務と一緒に入って来た。
「ちょっと手を休めてください。今日から企両部の企画課長になる、田尻さんです。皆さん、よろしくしてやってね。」
と全社員の前で専務が告げた。とてもテキトーな紹介だった。なんせ僕が務めるアドプロは毎月だれかが退職し、毎月だれかが入社してくるといった、実に定着率の悪いブラック企業だったのである。
「この人もすぐ辞めるんだろうなあ。」
ほどなくして、僕は田尻さんを紹介された。田尻課長の席は僕の隣と決まった。田尻課長は自己紹介を始めた。
「僕はいままで出版のほうをメインにやって来たんだけと、よく活版印刷さんとは一緒に仕事をしてきて、今回活版印刷さんから、ここにいってみないか、ということでここにきた、というわけだ。はっきりいって広告のほうは良くわからない。でも、出版の企画や文章ならだれにも負けないと思っているからそちらの方向でこの企画課を延ばしていきたいのでよろしく!。」
田尻課長は力強くこういった。そのあと、企画課にもう一人入ることを聞いた。課長がいうには、フィニッシュの福島くんだそうだ。彼のかつての希望により、コピーライターに抜擢されたそうだ。だが、芽がでなければまたフィニッシュに戻るそうである。僕はなんとなく楽しい気分になって来た。今まで何でも一人でやってきた僕にとっては味方が出来たようで、なんとなく心強いのである。少したって福島君がやってきた。三人揃ってやっと企画課の始まりである。その日の夜は歓迎会ということで、飲み明かした。
それから約3ヵ月がたっただろうか。八木はいつもの様にマイペースでたんたんと仕事をこなしていた。そして田尻課長のもとに大きな仕事の知らせが届いた。地元の新聞社のハウジング年鑑の編集の仕事である。田尻課長の手腕の発揮所である。
そこでまた組織替えが始まった。田尻課長と福島君は3ヵ月間みっちりその仕事だけをすることとなり、僕はまた一人でその他の仕事をいってに引き受けることになった。僕にとってはなにも嬉しくない決定だった。さらに嬉しくないことに、僕は10入ほどのデザイナーを部下に持ち、ディレクションの毎日となった。とても、コピーを書いている暇はなかった。コピーを書くのはいつも決まって、夜の10時以降となっていた。
「俺ももう歳だし、そろそろ辞めようかな。」ふとそんなことを考えていた。
約3ヵ月が過ぎ、企画課はもとの平穏な形に収まった。田尻課長は大体会社のことについて分かってきたようであった。しかし、それにともない会社に対して不満も大きくなって来たようだ。それはつまり会社はお金のことしか考えてなく、良い仕事をしようとか付加価値を高めようとかは、全く考えていないことにであった。
田尻課長の苛々は日を追う事に大きくなって行くようだった。僕も元の鞘に収まりいつも通り、マイペースでたんたんと仕事を続けて行くのであった。
それから半年は過ぎたであろうか。また、組織替えが始まった。企画課は本社を出て別のビルに拠点を移すことになった。別のビルは本社から歩いて5分、そう遠くない距離だが、精神的にはものすごく遠く感じる。僕にとっては災難であった。僕はデザイナーと組んで初めて仕事になるタイプなのである。僕は佐々木広告社から仕事が入るたびに、本社まで打ち合わせに行く事になってしまった。苛立った。
「今までなら1時間で終わる仕事が、30分余計にかかるんだなあ。本当に仕事がやりづ
らいよ。じゃあ、本社に打ち合わせに行ってくるからね。」
僕はそう言い残して本社に向かった。かくいうなかれ、事実、田尻課長も福島君も仕事のはかどりが悪く、苛々は日を追う事に増していった。
「課長、なんで俺たちだけが、こんなに不便な所で仕事をしないといけないんですか?!」
福島君はむっとした表情でいった。
「福島君、きっと僕らに辞めてほしいんじゃないの、会社は。僕だってやってらんないよ。企画課を作って会社の新しい核を作ってくれ、ということで入社したのに、これじゃ飼い殺しだよ。」
「ただいま。」
僕はこのとき本社から帰って来た。
「八木くん。八木くんはどう思う。僕たちの置かれた立場を。」
唐突に田尻課長はたずねた。
「一種のいじめ、じゃないですか。本社にはいてほしくないんでしょ。夜も寝ないで慟いてこうだもんなぁ」
僕は自虐的に言った。それからこの話は、堰を切ったように続き、約1時間程したところである結論が出た。
「八木君、福島君、僕はこの会社を辞めて独立するよ。もうやってらんない。あした、専務に退職届をだす。長である僕が最初に辞めるのは、みんなに悪いんだけど、僕にも僕の人生があるから、きっぱり辞める。」
田尻課長はこう言い放ってタイムカードを押しにいった。
「あしたの朝は直接専務のところにいってくるから。それじゃお先に。」
僕と福島君はあっけに取られていた。ようやく落ち着いた所で、福島君が何かを決断したように口を開いた。
「八木さん。僕もこの会社を辞めます。就職先、探します。八木さんはどうするんですか?。」
「おれ?。俺はゆっくり考えるよ。それよりもお前、行くあてがあるのか。よかったら、俺が紹介してやるよ」
「ありがとうございます。」
僕はこの後、自分にふりかかってくる災難も考えずに、後輩の面倒を見るのであった。
それから2週間後、田尻課長が退職したと同時に企画課は解散した。新しく借りたビルからまた引っ越しである。僕と福島君は、本社のデザイン課のはずれに席をもらい、電話もない場所で仕事をしなければならなかった。僕は取引先を担当している手前、電話が多いのである。電話がくるたびに、少し離れたデザイナーの所へ行き、立ったまま受け答えをしなければならなかった。
「畜生、俺に仕事をするなっていうのかよ。やってらんねえ。」
僕は電話がくるたび怒っていた。自分も早く辞めようと思った。
「~うちの会社に来ないか?~」
僕は佐々木広告社の根掘部長の言葉を思い出していた。
「八木さん、電話ですよ」
遠くから呼ぶ声が聞こえた。
「はい、お電話変わりました、八木です。」
「あ~どうも。」
「え~そうですか。大丈夫かもしれない。」
「さっそく本人に伝えますので、よろしくお願いします。本当にありがとうございます。」
僕は福島君を呼んだ。
「今、製作会社のミントの本田さんから電話で、やる気があるなら面接を受けてみないか、って電話が来たんだよ。どうだ、いい話だろう。受けてみるか?。」
「はい、ぜひとも。」
僕はまず後輩である福島君の就職先が決まったら自分のことをやろうと考えていた。
それから3日後には福島君はミントに就職が決まった。
そして僕は佐々木広告社の根掘部長に会いに行き、例の話は今でも本気かどうかたずねた。
「八木くん、やっと気が変わってくれたね。うちはいつでもOKさ。」
心強い話だった。僕はその場で就職させてほしい旨を、今の会社の現状を交えて訴えた。製作会社から広告代理店への転職である。不安がないわけではなかったが、今の僕にとってはこれがベストの選択だと思っていた。
それから2週間ほどして福島君は退社して行った。それを見届けるように僕は退職届を提出した。
退職届の提出から2週間後、僕は佐々木広告社に入社した。
第二章 佐々木広告社という会社
2011年07月23日
1990年9月、佐々木広告社に入社
「本日から入社することとなりました八木です。どうぞよろしくお願いします。」
僕はごくありふれたあいさつを行い、朝礼の時間をやり過ごした。そのあと総務部長から呼ばれ給料などの打ち合わせになった。僕は最初の約束どうり、今までの実績を下回らないということで納得していたが、実際提示された給料(月給)は今までの実績よりも10万円ほど下回っていた。僕はうまくはめられたと思ったが、ここでは後の祭り、従うしかなかった。
「畜生。ばかにすんなよ。」
ここで、僕は佐々木社長は信じられる人物ではないと悟ったのである。
給料ひとつ取ってもこの調子なのだから、ほかのことはいわずもがなである。製作室を作るとか言ってはいたが、実際与えられた席は企画開発部という飛び込み営業専門部門の横に机を付け足されただけの場所で、とても仕事などできる状況ではなかった。僕は思った。
「えらい所に入っちまったなあ。
それでも、今すぐ行動を起こすほど若くはなかったので、しばらくは傍観していることに決めた。
それから2ヵ月ほどたって、大体会社のことが分かって来た。会社にはかならず、結婚もせずずっといる、通称お局様という人がいるものである。この会社には太田さんというお局様がいて、僕は彼女から情報を仕入れとんでもない会社であることが分かって来た。
まず一つめは、社長が新興宗教に入信していて行動がちょっと変だ、ということ。
二つめは、昔いた常務は社長の嫌がらせが原因で、ノイローゼのため自殺した、ということ。
三つめはアースリースという大手のりース会社の資金提供を受けた会社だということ。したがって、グルーブ会社にはサラ金もある、ということ。
そしてさらに驚いたことは、大松副部長と森副部長はその宗教に入信しており、社長に毎日、その日会社でだれかこんなことを言っていたとか、給料に不満をもっていたとか、逐次報告することを条件に昇進した、という事実である。これには僕は心底驚いていた。
「そういえば、皆、ひそひそと話をするし、絶対社内では笑わないし、暗い会社だなあと思ってはいたけど、何か1990年代の出来事じゃない見たいだね。」
そのとき、太田さんが人の気配を感じたらしく、
「しっ!。」
と、辱に人差し指を当て横を向いてしまった。案の定、森副部長がそばにやって来て、
「今、何しゃべっていたの。」
早速チェックが入ってしまった。「うかうか話もできねぇな、この会社は。」僕は心の中でこう思った。
もう一つ、僕は入社のときから一つだけ大きな疑問をもっていた。それは、三上部長と業務の吹雪さんのことである。僕は以前夜の11時すぎあたりによく、三上部長と吹雪さんが夜の歓楽街国分町で二人、ベロベロに酔っ払って抱き合っているのを目撃していたのである。それも数回。僕はもって生まれた軽い性格からそのとき、
「三上部長、いつもお世話になっていま~す。」
とか、あいさつまで交わしていたのだ。そんなこともあり僕は、入社してしばらくは、三上部長と吹雪さんは結婚しているのだろうと思っていた。吹雪というのは名字ではなく名前であると勝手に誤解していたが、実は吹雪というのは名字であり、名前ではないことが分かった今、彼らに対してどんな対応をしたらいいのか分からない。三上部長は結婚しており、中学生になるお子さんもいるということで、立派な不倫である。よくもまあ、個人の行動にチェックが厳しいこの会社でそんなことが平気でできるのか、不思議に思っていた。
この話を根掘部長にした所、根掘部長はさほど驚きもせず、
「三上さんは女癖が悪いから、あり得る話だな。前の会社も、取引先の娘さんに手を出して、クビになったみたいだから。」
使はその話を聞いて納得した。そして、心の中でつぶやいていた。
「全く人材の宝庫、みたいな会社だな。」
会社のムードとは裏腹に、仕事のほうはうまく行っていた。新田自動車のキャンペーンのコンペに勝ち、3月まではとても忙しくなった。さらに、僕はMETの住宅展示場の広告担当にもなり、ほとんどパンク状態の日々が続いていた。そんなおり、衝撃の事件が起こったのであった。
「本日から入社することとなりました八木です。どうぞよろしくお願いします。」
僕はごくありふれたあいさつを行い、朝礼の時間をやり過ごした。そのあと総務部長から呼ばれ給料などの打ち合わせになった。僕は最初の約束どうり、今までの実績を下回らないということで納得していたが、実際提示された給料(月給)は今までの実績よりも10万円ほど下回っていた。僕はうまくはめられたと思ったが、ここでは後の祭り、従うしかなかった。
「畜生。ばかにすんなよ。」
ここで、僕は佐々木社長は信じられる人物ではないと悟ったのである。
給料ひとつ取ってもこの調子なのだから、ほかのことはいわずもがなである。製作室を作るとか言ってはいたが、実際与えられた席は企画開発部という飛び込み営業専門部門の横に机を付け足されただけの場所で、とても仕事などできる状況ではなかった。僕は思った。
「えらい所に入っちまったなあ。
それでも、今すぐ行動を起こすほど若くはなかったので、しばらくは傍観していることに決めた。
それから2ヵ月ほどたって、大体会社のことが分かって来た。会社にはかならず、結婚もせずずっといる、通称お局様という人がいるものである。この会社には太田さんというお局様がいて、僕は彼女から情報を仕入れとんでもない会社であることが分かって来た。
まず一つめは、社長が新興宗教に入信していて行動がちょっと変だ、ということ。
二つめは、昔いた常務は社長の嫌がらせが原因で、ノイローゼのため自殺した、ということ。
三つめはアースリースという大手のりース会社の資金提供を受けた会社だということ。したがって、グルーブ会社にはサラ金もある、ということ。
そしてさらに驚いたことは、大松副部長と森副部長はその宗教に入信しており、社長に毎日、その日会社でだれかこんなことを言っていたとか、給料に不満をもっていたとか、逐次報告することを条件に昇進した、という事実である。これには僕は心底驚いていた。
「そういえば、皆、ひそひそと話をするし、絶対社内では笑わないし、暗い会社だなあと思ってはいたけど、何か1990年代の出来事じゃない見たいだね。」
そのとき、太田さんが人の気配を感じたらしく、
「しっ!。」
と、辱に人差し指を当て横を向いてしまった。案の定、森副部長がそばにやって来て、
「今、何しゃべっていたの。」
早速チェックが入ってしまった。「うかうか話もできねぇな、この会社は。」僕は心の中でこう思った。
もう一つ、僕は入社のときから一つだけ大きな疑問をもっていた。それは、三上部長と業務の吹雪さんのことである。僕は以前夜の11時すぎあたりによく、三上部長と吹雪さんが夜の歓楽街国分町で二人、ベロベロに酔っ払って抱き合っているのを目撃していたのである。それも数回。僕はもって生まれた軽い性格からそのとき、
「三上部長、いつもお世話になっていま~す。」
とか、あいさつまで交わしていたのだ。そんなこともあり僕は、入社してしばらくは、三上部長と吹雪さんは結婚しているのだろうと思っていた。吹雪というのは名字ではなく名前であると勝手に誤解していたが、実は吹雪というのは名字であり、名前ではないことが分かった今、彼らに対してどんな対応をしたらいいのか分からない。三上部長は結婚しており、中学生になるお子さんもいるということで、立派な不倫である。よくもまあ、個人の行動にチェックが厳しいこの会社でそんなことが平気でできるのか、不思議に思っていた。
この話を根掘部長にした所、根掘部長はさほど驚きもせず、
「三上さんは女癖が悪いから、あり得る話だな。前の会社も、取引先の娘さんに手を出して、クビになったみたいだから。」
使はその話を聞いて納得した。そして、心の中でつぶやいていた。
「全く人材の宝庫、みたいな会社だな。」
会社のムードとは裏腹に、仕事のほうはうまく行っていた。新田自動車のキャンペーンのコンペに勝ち、3月まではとても忙しくなった。さらに、僕はMETの住宅展示場の広告担当にもなり、ほとんどパンク状態の日々が続いていた。そんなおり、衝撃の事件が起こったのであった。
一人の女性社員の退職について
2011年07月23日
檜木さんは佐々木広告社の業務部に席をおく、二十才でちょっと小太りのかわいい女性だった。その檜木さんが突然会社に来なくなってしまったのだ。僕は若い奴だから後でひょっこり現れるんだろうと気にもとめずにいた。
「八木さん、八木さん、ピックニュースですよ」
根掘部長の部下の新藤君が意味ありげの顔付きで僕の名前を呼んでいた。
「いま、太田さんから聞いたんですけど、檜木さん何で来ないか知ってますか?。何か社長に強姦されたみたいなんですよ。」
僕は「そんなバカな」、と思いながらも話の続きを聞いていた。
「檜木さんがいつものように、仕事が終わってアパートに帰ろうと、ゆっくり歩いていたところに、どこかで見覚えのある車がついて来て、声をかけられて、振り向いてみたら、社長だったんだって。で、一人暮らしをしてるんだったら、夕飯ごちそうするから一緒に食おう、みたいなこと言われたいんだって。それで、檜木さん、嫌だったけど、逆らうと社長が怒り出すからしょうがなくついていったんだって。それで、行った先が仙塩街道のラブホテル街の中にあるうちのスボンサーの焼き肉・西山。ダサイでしょ。それで、しょうがなく食べていたんだって。そんときも、こいつは普段どうしているとか、いろいろチェックが入って太変だったんだって。
なんとか、夕飯も終わって帰ることになって車に乗り込んだら、いきなり猛スピードでラブホテルに直行たってさ。信じられます。ひでえ、会社に入っちまったなあ。」
僕は驚いてたずねた。
「それって本当なの?。」
「太田さんの所に夜電話か来て、何時間も泣きながらしゃべっていたんだって。」
なんだそれ。バッカじゃないの。僕は心底そう思った。どうりで、最近社長の顔を見てないと思ったら、こんなことがあったのか。全く、ひでえなあ。
それから2週間ほど経ち、檜木さんが会社に来た。朝、すぐ社長室に呼ばれ、何やら1時間くらい話していた。檜木さんが社長室から出て来た。それからすぐ、社長は大松副部長を呼び付け、二人で出掛けていった。檜木さんは今日限りで退職するそうである。僕は事の真偽を確かめるべく、檜木さんの所に向かった。
「大変だったねぇ。」
と声をかけ、にこやかにその場を繕った。しばらく雑談をしていた。
その中で、やはり、その話は事実だったこと、慰謝料を支払ってもらったこと、社長が社長の奥さんと一緒にに土下座をして頭を下げたこと、これからどうしていいのか分からないことなど、仕事のやる気がなくなりそうなことばかり聞かされた。
最後に彼女はこういった。
「こんな社長のいる会社にいたって、いいことないから早く辞めたほうがいいわよ。」
僕はありかたくその言葉を受け取った。
それから数カ月、社内ではひそひそと、この話題が続いていた。
「八木さん、八木さん、ピックニュースですよ」
根掘部長の部下の新藤君が意味ありげの顔付きで僕の名前を呼んでいた。
「いま、太田さんから聞いたんですけど、檜木さん何で来ないか知ってますか?。何か社長に強姦されたみたいなんですよ。」
僕は「そんなバカな」、と思いながらも話の続きを聞いていた。
「檜木さんがいつものように、仕事が終わってアパートに帰ろうと、ゆっくり歩いていたところに、どこかで見覚えのある車がついて来て、声をかけられて、振り向いてみたら、社長だったんだって。で、一人暮らしをしてるんだったら、夕飯ごちそうするから一緒に食おう、みたいなこと言われたいんだって。それで、檜木さん、嫌だったけど、逆らうと社長が怒り出すからしょうがなくついていったんだって。それで、行った先が仙塩街道のラブホテル街の中にあるうちのスボンサーの焼き肉・西山。ダサイでしょ。それで、しょうがなく食べていたんだって。そんときも、こいつは普段どうしているとか、いろいろチェックが入って太変だったんだって。
なんとか、夕飯も終わって帰ることになって車に乗り込んだら、いきなり猛スピードでラブホテルに直行たってさ。信じられます。ひでえ、会社に入っちまったなあ。」
僕は驚いてたずねた。
「それって本当なの?。」
「太田さんの所に夜電話か来て、何時間も泣きながらしゃべっていたんだって。」
なんだそれ。バッカじゃないの。僕は心底そう思った。どうりで、最近社長の顔を見てないと思ったら、こんなことがあったのか。全く、ひでえなあ。
それから2週間ほど経ち、檜木さんが会社に来た。朝、すぐ社長室に呼ばれ、何やら1時間くらい話していた。檜木さんが社長室から出て来た。それからすぐ、社長は大松副部長を呼び付け、二人で出掛けていった。檜木さんは今日限りで退職するそうである。僕は事の真偽を確かめるべく、檜木さんの所に向かった。
「大変だったねぇ。」
と声をかけ、にこやかにその場を繕った。しばらく雑談をしていた。
その中で、やはり、その話は事実だったこと、慰謝料を支払ってもらったこと、社長が社長の奥さんと一緒にに土下座をして頭を下げたこと、これからどうしていいのか分からないことなど、仕事のやる気がなくなりそうなことばかり聞かされた。
最後に彼女はこういった。
「こんな社長のいる会社にいたって、いいことないから早く辞めたほうがいいわよ。」
僕はありかたくその言葉を受け取った。
それから数カ月、社内ではひそひそと、この話題が続いていた。
この会社は今まで何をしていたんだ?
2011年07月23日
入社してもう一つ驚いたことはワープロがない事だった。僕は新田自動車の仕事の関係上、企画書を作ることが大変多かった。しかし、この会社にはワープロはない。今までこの会社はどんなことをして来ためであろうか。企画書を作ったことがあったのだろうか。僕は少し不安になっていた。それで、常識的な知識人である青竹さんに素朴な質問をしてみた。
「この会社にワープロないんですか?。どうやって企画書作ってたいんですか?。」
「日本語タイプライターみたいものがあるでしょう。これで作っていたんだよ。本格的なものは作れないけどね。必要とあれぱ自分のを使っていたんだけどね。それに、まともなスポンサーなんてなかったから口約束だけ。でもね、新田自動車みたいに一流のところはちゃんとしないとだめだろうね。そうは言っても、経理にコンピュータすら入ってない会社だもの、上の人達は、まだワープロなんて使うなんて考えてないでしょう。」
「今までのデータはどうしていたんですか?」
「データなんて取ってないよ。今まで+数年のあいだにやった仕事のサンプルすらない会社だもの、必要ないんでしょ。」
青竹さんは少しあきれた口ぶりで教えてくれた。そうか、確かにこの会社に、以前どんな仕事をしていたとかは、一切残していない。ということは、以前のデータを基にして、新たな戦略を立てるとかしないのだろうか。僕はまたたずねた。
「お客さんに提案するときはどうしてたんですか?。」
「勘とハッタリ。飛び込み主体の営巣スタイルだもの、必要なかったのさ。」
僕は目の前にある仕事を片忖けるために、自分でワープロを買おうと思ったが、馬鹿らしくなったので、友達のワープロを借りて仕事をすることにした。石器時代の会社に入ったんだろうか。自分が情けなくなった。仕方がなく無い物ねだりはしないで、この器のレベルで仕事をすることにしたちょっと悲しい会社の実態だった。
「この会社にワープロないんですか?。どうやって企画書作ってたいんですか?。」
「日本語タイプライターみたいものがあるでしょう。これで作っていたんだよ。本格的なものは作れないけどね。必要とあれぱ自分のを使っていたんだけどね。それに、まともなスポンサーなんてなかったから口約束だけ。でもね、新田自動車みたいに一流のところはちゃんとしないとだめだろうね。そうは言っても、経理にコンピュータすら入ってない会社だもの、上の人達は、まだワープロなんて使うなんて考えてないでしょう。」
「今までのデータはどうしていたんですか?」
「データなんて取ってないよ。今まで+数年のあいだにやった仕事のサンプルすらない会社だもの、必要ないんでしょ。」
青竹さんは少しあきれた口ぶりで教えてくれた。そうか、確かにこの会社に、以前どんな仕事をしていたとかは、一切残していない。ということは、以前のデータを基にして、新たな戦略を立てるとかしないのだろうか。僕はまたたずねた。
「お客さんに提案するときはどうしてたんですか?。」
「勘とハッタリ。飛び込み主体の営巣スタイルだもの、必要なかったのさ。」
僕は目の前にある仕事を片忖けるために、自分でワープロを買おうと思ったが、馬鹿らしくなったので、友達のワープロを借りて仕事をすることにした。石器時代の会社に入ったんだろうか。自分が情けなくなった。仕方がなく無い物ねだりはしないで、この器のレベルで仕事をすることにしたちょっと悲しい会社の実態だった。
社長の愛人
2011年07月23日
仕事も一段落しのどかな日々を送っていたある日である。新入社員の関谷君がおもしろいものを見た、と話しかけて来た。
「実はですね、社長が北陸社の早川という女と一緒にいたのを見たんですよ。」
「なにそれ?。」
「昨日、残業してたとき、もう12時も回ったころ何か駐車場で車を出している音が聞こえてたんで、変だなあって思って駐車場にいったら、社長の車が逃げるように出ていったんですよ。それで道に出てみたら、会社のビルの横に北陸社の早川がいたんです。それで僕の姿を見たら逃げて行くんですよ。そしたら、100メートル位離れたところに社長の車が電気を消して止まってるんですよ。それで早川が車に向かって走っていって、そのまま二人でどっかいっちゃったんですけど、これってあやしいですよね。」
「怪しいね。でも、その早川って何物なの?。」
「八木さん知りませんか。早川ってのは元フオークデュオのボリンズにいたちょっと太めの方ですよ。よく、シンドーチェーンのサテスタに出でた人で、今は毎朝新聞の情報誌「毎朝WAS」を作っている北陸社の専務をしてるらしいですけど。」
「お前、よくそんなことまで知ってるな。」
「僕のおやじ、某放送局にいるから、昔から芸能関係は知り合いが多くて、僕も顔見知りなんですよ。」
「へぇ、そうなんだ、でも、もし不倫ごっこしてるんだったら許せないよな。だってこないだ檜木さんの事件があったばかりでしょ。本当だったら、とんでもないおやじだな。」
僕は、また仕事をやる気がうせはじめていた。しかし、この話を口火にどんどん社長と早川のツーショット目撃談は続くのであった。
僕は新田自動車の件で、青竹副部長と打ち合わせをしていた。青竹副部長は全学連世代の生き残りで、奥さんは活動家。この間南米のコロンビアから帰って来たばかりである。大体打ち合わせが終わったあたりで、青竹副部長が切り出した。
「先週の日曜日、俺、うちの奥さんと二人で久しぶりに夕飯食いに駅前にいって、大学時代から良くいっていた汚い飲み屋に入ったら、そこにいたんですよ。」
「だれがですか?。」
「社長と北陸社の早川が。俺、まずいって思って、すぐ帰ろうとしたら、見つかって、こっちに来いっていわれて、嫌々一緒に飯食ったんだけど、そこで紹介されて、仕事の件で打ち合わせしてたってんだけど、どう考えても日曜の夜にあんなこ汚い店で仕事の打ち合わせする人なんて、まずいないと思うけどね。きっとデートだったんじゃないの?。」
青竹副部長は少年のような瞳を輝かせながら、しゃべっていた。そこで僕は関谷君から聞いた内容を青竹副部長に告げた。
「関谷それみたの?。ほんとに?。じゃ俺が見たのも本気ってこと。まあ、あの人なら考えられるけどね、それにしてもおおっびらだ。隠すと目立つから、わざとやってるんだと思うよ。」
その話をしていたとき、そばにいた板橋君が話に加わって来た。
「やっぱり、社長と北陸社の早川はあやしいんでしょう。僕、見たんですよ、月曜の朝。僕いつも出社時間が早いんですよ。8時半前には会社についてますから。いつもの様に会社に向かって歩いてたんですよ。そして、いつもの様に会社の裏のラブホテルの横を歩いてたとき、ラブホテルの裏口から、どこかで見たことのある女性が出できたんですよ。そのあと、社長そっくりの人が出て来て、その女性と反対のほうに歩いていったんですよ。」
僕は半信半疑でたずねた。
「まさかその女性が早川ってわけ?。」
「僕の目に狂いがなければ、あの女は早川でしょう。」
「つうことは、日曜にそのラブホテルに泊まって、月曜にそこから出勤して来たわけ?。」
「そうだと思いますよ、社長そっくりの人の背広と、その日の社長の着ていた背広は同じでしたから?。」
僕はいいかげんうんざりしていた。五十を越えた、いい年の社長が、芸能人くずれのたかり女に熱を上げているのである。それもニカ月前には社員を強姦した男がである。あまりのバカさ加減に、哀れみさえ感じていた。このとき、僕の頭の中に昔の会社の先輩から言われたことがジングルされていた。
「いいか、常識なんてものは時代とともに変化するから、そんなものにとらわれるな。大事なことは、あんたの良識だ。良識はそう簡単には変化しない。」
僕はこの言葉を思い出しながら、心の中でこうつぶやいていた。
「良識のない社長に、良識のない社員。きっとそういう会社なんだな。ここは。」
この件は1か月もしないうちに全社員に知れ渡り、その後も何人もその光景を目の当たりにし、物議を醸し出していた。さらにこの件はたくさんのスボンサーの皆さんからも激励の電話をいただくほど、メジャーな話になっていった。
「実はですね、社長が北陸社の早川という女と一緒にいたのを見たんですよ。」
「なにそれ?。」
「昨日、残業してたとき、もう12時も回ったころ何か駐車場で車を出している音が聞こえてたんで、変だなあって思って駐車場にいったら、社長の車が逃げるように出ていったんですよ。それで道に出てみたら、会社のビルの横に北陸社の早川がいたんです。それで僕の姿を見たら逃げて行くんですよ。そしたら、100メートル位離れたところに社長の車が電気を消して止まってるんですよ。それで早川が車に向かって走っていって、そのまま二人でどっかいっちゃったんですけど、これってあやしいですよね。」
「怪しいね。でも、その早川って何物なの?。」
「八木さん知りませんか。早川ってのは元フオークデュオのボリンズにいたちょっと太めの方ですよ。よく、シンドーチェーンのサテスタに出でた人で、今は毎朝新聞の情報誌「毎朝WAS」を作っている北陸社の専務をしてるらしいですけど。」
「お前、よくそんなことまで知ってるな。」
「僕のおやじ、某放送局にいるから、昔から芸能関係は知り合いが多くて、僕も顔見知りなんですよ。」
「へぇ、そうなんだ、でも、もし不倫ごっこしてるんだったら許せないよな。だってこないだ檜木さんの事件があったばかりでしょ。本当だったら、とんでもないおやじだな。」
僕は、また仕事をやる気がうせはじめていた。しかし、この話を口火にどんどん社長と早川のツーショット目撃談は続くのであった。
僕は新田自動車の件で、青竹副部長と打ち合わせをしていた。青竹副部長は全学連世代の生き残りで、奥さんは活動家。この間南米のコロンビアから帰って来たばかりである。大体打ち合わせが終わったあたりで、青竹副部長が切り出した。
「先週の日曜日、俺、うちの奥さんと二人で久しぶりに夕飯食いに駅前にいって、大学時代から良くいっていた汚い飲み屋に入ったら、そこにいたんですよ。」
「だれがですか?。」
「社長と北陸社の早川が。俺、まずいって思って、すぐ帰ろうとしたら、見つかって、こっちに来いっていわれて、嫌々一緒に飯食ったんだけど、そこで紹介されて、仕事の件で打ち合わせしてたってんだけど、どう考えても日曜の夜にあんなこ汚い店で仕事の打ち合わせする人なんて、まずいないと思うけどね。きっとデートだったんじゃないの?。」
青竹副部長は少年のような瞳を輝かせながら、しゃべっていた。そこで僕は関谷君から聞いた内容を青竹副部長に告げた。
「関谷それみたの?。ほんとに?。じゃ俺が見たのも本気ってこと。まあ、あの人なら考えられるけどね、それにしてもおおっびらだ。隠すと目立つから、わざとやってるんだと思うよ。」
その話をしていたとき、そばにいた板橋君が話に加わって来た。
「やっぱり、社長と北陸社の早川はあやしいんでしょう。僕、見たんですよ、月曜の朝。僕いつも出社時間が早いんですよ。8時半前には会社についてますから。いつもの様に会社に向かって歩いてたんですよ。そして、いつもの様に会社の裏のラブホテルの横を歩いてたとき、ラブホテルの裏口から、どこかで見たことのある女性が出できたんですよ。そのあと、社長そっくりの人が出て来て、その女性と反対のほうに歩いていったんですよ。」
僕は半信半疑でたずねた。
「まさかその女性が早川ってわけ?。」
「僕の目に狂いがなければ、あの女は早川でしょう。」
「つうことは、日曜にそのラブホテルに泊まって、月曜にそこから出勤して来たわけ?。」
「そうだと思いますよ、社長そっくりの人の背広と、その日の社長の着ていた背広は同じでしたから?。」
僕はいいかげんうんざりしていた。五十を越えた、いい年の社長が、芸能人くずれのたかり女に熱を上げているのである。それもニカ月前には社員を強姦した男がである。あまりのバカさ加減に、哀れみさえ感じていた。このとき、僕の頭の中に昔の会社の先輩から言われたことがジングルされていた。
「いいか、常識なんてものは時代とともに変化するから、そんなものにとらわれるな。大事なことは、あんたの良識だ。良識はそう簡単には変化しない。」
僕はこの言葉を思い出しながら、心の中でこうつぶやいていた。
「良識のない社長に、良識のない社員。きっとそういう会社なんだな。ここは。」
この件は1か月もしないうちに全社員に知れ渡り、その後も何人もその光景を目の当たりにし、物議を醸し出していた。さらにこの件はたくさんのスボンサーの皆さんからも激励の電話をいただくほど、メジャーな話になっていった。
大松副部長、酒酔い運転でクラッシュ
2011年07月23日
その目は、朝から何か騒がしい日だった。千田部長のところが何やら騒がしい。社長が荒々しい声で千田部長と大松副部長を社長室に呼び付ける。社長室からは社長のどなり声が1時間以ト続く。社長室から出で来た3入は、急いで車に乗って出掛ける・・・。
午後になって、ようやく何の件で怒られていたかを、千田部長の部下の入社2年目の曽田君から教えてもらった。
「大松さん、昨日飲みに行って、酔っ払ってるのに営業車で帰ったんだって。それで事故起こして、相手の車は全損だし、こっちの車もめちゃくちゃだし、怪我しなかったのが不思議なくらいですよ。まったくバカなんだから。」
と教えてくれた。僕は全く常識のない奴らだと思いながらも、口に出さずその場を去った。
夜になった。僕は明日のブレゼンで使うカンプの製作に励んでいた。ルミナを取りに会社の倉庫に行った。すると鍵がかかっているのである。変だなあと、思いながらドアの前に立っていたら、中から変な音が聞こえてくる。「バシッ!、バシッ!・・・。」何かを殴る音である。何か不思議な気持ちでその場を立ち去り、自分のデスクに座りじっと倉庫のほうを昆ていた。
すると、ほどなくして社長と大松副部長が出で末た。そのとき、大松副部長の顔は赤く腫れ上がり涙目になっていた。そうか社長は大松さんを貪庫で袋叩きにしてたんだ。
「クレージーだな。」 こんな会社があるんだなと思いながらも、その会社の社員なんだ、ということに聡ずかしさを感じていた。
午後になって、ようやく何の件で怒られていたかを、千田部長の部下の入社2年目の曽田君から教えてもらった。
「大松さん、昨日飲みに行って、酔っ払ってるのに営業車で帰ったんだって。それで事故起こして、相手の車は全損だし、こっちの車もめちゃくちゃだし、怪我しなかったのが不思議なくらいですよ。まったくバカなんだから。」
と教えてくれた。僕は全く常識のない奴らだと思いながらも、口に出さずその場を去った。
夜になった。僕は明日のブレゼンで使うカンプの製作に励んでいた。ルミナを取りに会社の倉庫に行った。すると鍵がかかっているのである。変だなあと、思いながらドアの前に立っていたら、中から変な音が聞こえてくる。「バシッ!、バシッ!・・・。」何かを殴る音である。何か不思議な気持ちでその場を立ち去り、自分のデスクに座りじっと倉庫のほうを昆ていた。
すると、ほどなくして社長と大松副部長が出で末た。そのとき、大松副部長の顔は赤く腫れ上がり涙目になっていた。そうか社長は大松さんを貪庫で袋叩きにしてたんだ。
「クレージーだな。」 こんな会社があるんだなと思いながらも、その会社の社員なんだ、ということに聡ずかしさを感じていた。
マドンナというお店
2011年07月23日
6月の月末、会社宛に一通の請求書が届いた。それは、マドンナという名前の飲み屋からであった。会社への飲み代の請求書はすべて社長がチェックすることになっており、この請求書も当然社長のもとへ届く。経理部長が請求書の束を携えて社長室に入って行った。
そして経理部長はほどなくして社長室からでてきた。それから10分はたったであろうか。社長はものすごい形相で大声を張り上げて社長室からでてきた。
「だれだ!!、マドンナで飲んだやつ!!。お前、マドンナってしってるか?。」
社長はそこにいた社員を捕まえて、恐ろしい顔付きでどなり散らした。
「だれが使ってる店か、知らないか!!」。
そこにいた人達は全員
「分かりません」。
と、応え、皆、顔をを見合わせ苦笑していた。そして、社長はまた社長室に戻って行った。
その後、30分ほどたったであろうか。社長けまた、大声を張り上げて社長室からでてきた。
「公家だ。あいつに間違いない。あいつはマドンナって店つかってたよな。」
公家さんは昨年11月に突然退社した人で、そのときは会社のいじめに会いノイロ-ゼ同然で辞めた人であった。社長はこの人に間違いないと確信した様子で、さらに皆に同意を求めているようであった。実際、本人が聞いたら怒るであろう。ウラも取られずに犯人に仕立てあげられてしまうのだから。そして社長はこう言いながら経理部長の部屋に向かった。
「あいつ、ぶっ殺してやるからな。」
しばらくして夕方になり、外周りの営業の人達も帰ってきた。そして社長がまた、大声を出して叫んでいた。
「マドンナって店、知っているやつ、いるか!!。」
僕は思った。社員に聞くよりも直接お店に電話をかけて、どんな人が飲んでいたかを尋ねる方が早いのではないかと・・・。
しばらくして、森副部長が社長室に呼ばれた。少したった後、社長室からどなり声が聞こえてきた。どうやら犯人は森副部長のようであった。
「飲みたかったら俺に言え!!!。なんで嘘をつくんだよ!!!!!!。」
それから1時間ほど怒鳴り声は続いた。社長は真っ赤な顔をして社長室から出てきた。
「お前らも飲みたかったら俺に言え!!!!。」
と言い残してまた、経理部長のところへ向かった。
それにしても森副部長は酒癖が悪いと聞いていたが、本当にすごい人である。噂によると過去にも数回やっているそうで、お金が無いなら飲みにいかなきやいいのに、本当に分からない人だ。
そして経理部長はほどなくして社長室からでてきた。それから10分はたったであろうか。社長はものすごい形相で大声を張り上げて社長室からでてきた。
「だれだ!!、マドンナで飲んだやつ!!。お前、マドンナってしってるか?。」
社長はそこにいた社員を捕まえて、恐ろしい顔付きでどなり散らした。
「だれが使ってる店か、知らないか!!」。
そこにいた人達は全員
「分かりません」。
と、応え、皆、顔をを見合わせ苦笑していた。そして、社長はまた社長室に戻って行った。
その後、30分ほどたったであろうか。社長けまた、大声を張り上げて社長室からでてきた。
「公家だ。あいつに間違いない。あいつはマドンナって店つかってたよな。」
公家さんは昨年11月に突然退社した人で、そのときは会社のいじめに会いノイロ-ゼ同然で辞めた人であった。社長はこの人に間違いないと確信した様子で、さらに皆に同意を求めているようであった。実際、本人が聞いたら怒るであろう。ウラも取られずに犯人に仕立てあげられてしまうのだから。そして社長はこう言いながら経理部長の部屋に向かった。
「あいつ、ぶっ殺してやるからな。」
しばらくして夕方になり、外周りの営業の人達も帰ってきた。そして社長がまた、大声を出して叫んでいた。
「マドンナって店、知っているやつ、いるか!!。」
僕は思った。社員に聞くよりも直接お店に電話をかけて、どんな人が飲んでいたかを尋ねる方が早いのではないかと・・・。
しばらくして、森副部長が社長室に呼ばれた。少したった後、社長室からどなり声が聞こえてきた。どうやら犯人は森副部長のようであった。
「飲みたかったら俺に言え!!!。なんで嘘をつくんだよ!!!!!!。」
それから1時間ほど怒鳴り声は続いた。社長は真っ赤な顔をして社長室から出てきた。
「お前らも飲みたかったら俺に言え!!!!。」
と言い残してまた、経理部長のところへ向かった。
それにしても森副部長は酒癖が悪いと聞いていたが、本当にすごい人である。噂によると過去にも数回やっているそうで、お金が無いなら飲みにいかなきやいいのに、本当に分からない人だ。
そんなものには偏されないぞ、と・・・。
2011年07月23日
残暑がつつく暑い日であった。曽田君が自分のスボンサーであるTハウスの分譲の件で企画などを頼みたいと、千田部長から話があった。僕は早速打ち合わせを始めた。曽田君はちょっと頼りない感じのする、今年二年目の新人で、ちょっとTハウスとトラブっているようだった。僕は何かあったのか子供をあやすようにたずねた。
「実はですね、以前Tハウスの担当が会社の人達と飲みに行ったんだそうです。その店に後から社長があの北陸社の早川と一緒に飲みに来たんだそうです。Tハウスの人達がいるのも知らないで、二人でべたべたして、いちゃついてるんだそうです。あの社長スケベだなぁって見てたんだそうです。しばらくして、社長がTハウスの人達に気づいたみたいで、いきなりカウンターのボーイからあちらのお客様からってビールが来たんだそうです。それはそれでいいんですけど、Tハウスの担当は二人とも結構年とった女性ですごいブスなんです。もちろん結婚なんてしてませんよ。だから、なんかカチンときたみたいで。
『ビールの一杯や二杯で不倫の口止め料かよ。そんなもんには騙されないぞ!。』 って怒ってるんですよ。それからですよ、なんか提案すると『愛人作って遊んでるような社長のいる会社には騙されないぞ。』って言って、何も受け付けてくれないんです。ほんとに、どうしていいのやら・・・。愛人作って遊ぶのは勝手にしてもらいたいんですけど、どこに人の目があるか分からないんですから、人に迷惑かからないようにやってくださいよ。取引を切られても私知りませんから。」
曽田は怒り心頭といった感じで不満をあらわにした。この件は、僕にはどうすることもてきない事であった。
その後、僕は企画をまとめ、提案し、何とかその仕事は続いた。それにしても、なんだかなぁ、この会社は・・・。
「実はですね、以前Tハウスの担当が会社の人達と飲みに行ったんだそうです。その店に後から社長があの北陸社の早川と一緒に飲みに来たんだそうです。Tハウスの人達がいるのも知らないで、二人でべたべたして、いちゃついてるんだそうです。あの社長スケベだなぁって見てたんだそうです。しばらくして、社長がTハウスの人達に気づいたみたいで、いきなりカウンターのボーイからあちらのお客様からってビールが来たんだそうです。それはそれでいいんですけど、Tハウスの担当は二人とも結構年とった女性ですごいブスなんです。もちろん結婚なんてしてませんよ。だから、なんかカチンときたみたいで。
『ビールの一杯や二杯で不倫の口止め料かよ。そんなもんには騙されないぞ!。』 って怒ってるんですよ。それからですよ、なんか提案すると『愛人作って遊んでるような社長のいる会社には騙されないぞ。』って言って、何も受け付けてくれないんです。ほんとに、どうしていいのやら・・・。愛人作って遊ぶのは勝手にしてもらいたいんですけど、どこに人の目があるか分からないんですから、人に迷惑かからないようにやってくださいよ。取引を切られても私知りませんから。」
曽田は怒り心頭といった感じで不満をあらわにした。この件は、僕にはどうすることもてきない事であった。
その後、僕は企画をまとめ、提案し、何とかその仕事は続いた。それにしても、なんだかなぁ、この会社は・・・。
飲みにいこうよ。。。というトラップ。
2011年07月23日
この会社には社長の犬?とでもいうべき大松副部長と森副部長がいる。この二人は会社での出来事を事細かかに社長に報告している人達だが、それがボーナス前になると物凄い。何がすごいというと、社内でちょっとでも社員同士の話が盛り上がっているとすぐ飛んで未て、「今なに話していたの?」とか、「なにや?」とかいって近づいてくるのである。時には誘導尋問のようなやり方もしてくる。
先日も森副部長が僕のところに来て、「八木くんはこの会社に何年いるつもりで入ったの?。俺と同世代のやつはみんな辞めちゃうし、僕もそんなに長くはいないと思うんだけど・・・?。」などどいって僕に近づいてくるのである。
こんなことが結構あると教えられていたので、こうやってチェックしにくるのか、とが思いながら僕は応対した。
「せっかく入ったんだから、ずっといますよ。」
「そうか。ゆっくり話したいからきょう飲みに行かないか?。」
この人たちはボーナス前になると、きまって人を誘って飲みに連れて行き、チェックしていをのである。さらに、それも社長の命令だから飲み代はすべて経費で落ちるのである。アホくさいな、と思いながらも僕はこう答えていた。
「いゃぁ、ありがとうございます。けど、僕お酒忿然飲めないんですよ。学生時代にも先輩に飲まされて救急車呼んでたほうですから、全くだめなんですよ。」
こいつらにはこれで+分である。
後になって、曽田や新藤くんに聞いてみたら、彼らもまた誘われていたそうである。まったく、みんなが分かっていても同じことをやり続ける副部長二人には脱帽。よくもまあ、こんなに熱心かと、変に感心してしまう。確かに二人とも仕事はできるほうではない。これをやることで副部長になったといわれているだけのことはある。
ちなみに僕はこれを悪用して、曽田と二人で大松副部長の誘いに乗ったふりをして飲みにつきあい、ほとんど話もせず大松副部長をべろんべろんに飲ませてダウンさせ、カラオケも歌えるだけ歌って、ニューボトルも入れさせ、食べれるだけ食べて、そのまま寝てしまった大松副部長を残してきたことがある。ちなみにこのときの飲食費は9万円であった。
ごちそうさまでした!!。
先日も森副部長が僕のところに来て、「八木くんはこの会社に何年いるつもりで入ったの?。俺と同世代のやつはみんな辞めちゃうし、僕もそんなに長くはいないと思うんだけど・・・?。」などどいって僕に近づいてくるのである。
こんなことが結構あると教えられていたので、こうやってチェックしにくるのか、とが思いながら僕は応対した。
「せっかく入ったんだから、ずっといますよ。」
「そうか。ゆっくり話したいからきょう飲みに行かないか?。」
この人たちはボーナス前になると、きまって人を誘って飲みに連れて行き、チェックしていをのである。さらに、それも社長の命令だから飲み代はすべて経費で落ちるのである。アホくさいな、と思いながらも僕はこう答えていた。
「いゃぁ、ありがとうございます。けど、僕お酒忿然飲めないんですよ。学生時代にも先輩に飲まされて救急車呼んでたほうですから、全くだめなんですよ。」
こいつらにはこれで+分である。
後になって、曽田や新藤くんに聞いてみたら、彼らもまた誘われていたそうである。まったく、みんなが分かっていても同じことをやり続ける副部長二人には脱帽。よくもまあ、こんなに熱心かと、変に感心してしまう。確かに二人とも仕事はできるほうではない。これをやることで副部長になったといわれているだけのことはある。
ちなみに僕はこれを悪用して、曽田と二人で大松副部長の誘いに乗ったふりをして飲みにつきあい、ほとんど話もせず大松副部長をべろんべろんに飲ませてダウンさせ、カラオケも歌えるだけ歌って、ニューボトルも入れさせ、食べれるだけ食べて、そのまま寝てしまった大松副部長を残してきたことがある。ちなみにこのときの飲食費は9万円であった。
ごちそうさまでした!!。
結婚式のスピーチで・・・
2011年07月23日
7月のとある日、新藤くんから一枚の招待状をもらった。それは彼の結婚式の披露宴の招待状であった。新藤くんは28歳で根掘部長の部の中堅営業マンで。彼は高校の頃から付き合っていた同級生の娘と結婚するそうである。ちなみに彼女は某財閥系の空調関係ではナンバーワンの実績がある会社に勤務している。このことが披露宴の時に波乱の元となってしまった。
大安の日、僕は1時からの披露宴に遅れないよう、早めに式場に着いた。一応会社からは社長、三上部長、根掘部長、千田部長、青竹さん、羽賀くん、それに僕の7人が招待されていた。僕が式場に着いたときはまだ誰も来ていなく、しばらくロビーで待っていた。しばらくして三々五々集まり、社長も来た。僕たちは、式場なのに全員そろっていすから立ち上がり、一同「お疲れ様です。」と、声を上げていた。ここは結婚式場なのである。会社員の性なのだろうか、ちょっと間抜けな気分になった。
そして僕等は式場に入り、自分の席に座った。
「よかった。社長とは違う席だぜ・・・」内心僕はほっとした。
ほどなくして、式次第のとおりに進行して行き、社長の挨拶の時が来た。社長は緊張した面持ちでしゃべり始めた。始めの方はうまく呂律が回っていなかったが徐々にとまともになってきた。が、内容がひどすぎた。
基本的に新藤くん夫婦に対して「おめでとう」の言葉はなく、新婦の会社に対してのお世辞と、まだ我が社の取引先になっていないことに終始していた。「日本一大きな空調関係の会社とお近づきできて光栄だ」とか、「これからは我が社ともお付き合いいただきたい」とか、そんな内容を真っ赤な顔でしまくし立てていた。しまいには新婦の会社の人達からブーイングが出始めた。
しかし社長は「受けた」と勘違いしたらしく、ますます図に乗ってそのようなことを続けて話していた。僕等は本当に恥ずかしくなってきた。こんな会社の会社員だとは思われたくはなかった。やっと、社長の挨拶が終わり一同ほっとした。
そして、今度は新婦の会社の支社長からの挨拶が始まった。その支社長も我が社の社長の話にカチンときたらしく、挨拶の中で、「社長さんも仕事に一生懸命なのは分かるが、このような席では仕事のことはぬきにして、二人の門出を祝いたい」といった内容の事を話していた。僕も同感だ。支社長の話で、しらけていた場が何とか取り繕えたようだった。
何とか式が終わった。僕たちはなんとなく気まづくてその場をすぐ立ち去った。何という人格の持ち主なのだろう、社長は。噂には聞いていたが、結婚式のお目出たい席でも、お金のことしか考えていないのである。金と女にゃきたねぇぜ、と聞いていたがやはり本当だった。
式が終わって、何日か経って新藤くんに打ち明けられたことがある。
式のあと、奥さんの会社の人達のところにいって、「今日はありがとうございました。」って挨拶したら、いきなり胸ぐらをつかまれて、「お前、幸せにしなかったらただじゃすまねぇぞ!。 こんな会社に勤めている奴のところに嫁いでいくのは可哀そうだ!!」って、怒鳴られて本当に恥ずかしかった。相手のご両親にも合わせる顔がないよ・・・。
このとき、僕は「この会社に勤めている聞は絶対に結婚しない。」と心に決めたのであった。
新藤くん、いつまでもお幸せに。
大安の日、僕は1時からの披露宴に遅れないよう、早めに式場に着いた。一応会社からは社長、三上部長、根掘部長、千田部長、青竹さん、羽賀くん、それに僕の7人が招待されていた。僕が式場に着いたときはまだ誰も来ていなく、しばらくロビーで待っていた。しばらくして三々五々集まり、社長も来た。僕たちは、式場なのに全員そろっていすから立ち上がり、一同「お疲れ様です。」と、声を上げていた。ここは結婚式場なのである。会社員の性なのだろうか、ちょっと間抜けな気分になった。
そして僕等は式場に入り、自分の席に座った。
「よかった。社長とは違う席だぜ・・・」内心僕はほっとした。
ほどなくして、式次第のとおりに進行して行き、社長の挨拶の時が来た。社長は緊張した面持ちでしゃべり始めた。始めの方はうまく呂律が回っていなかったが徐々にとまともになってきた。が、内容がひどすぎた。
基本的に新藤くん夫婦に対して「おめでとう」の言葉はなく、新婦の会社に対してのお世辞と、まだ我が社の取引先になっていないことに終始していた。「日本一大きな空調関係の会社とお近づきできて光栄だ」とか、「これからは我が社ともお付き合いいただきたい」とか、そんな内容を真っ赤な顔でしまくし立てていた。しまいには新婦の会社の人達からブーイングが出始めた。
しかし社長は「受けた」と勘違いしたらしく、ますます図に乗ってそのようなことを続けて話していた。僕等は本当に恥ずかしくなってきた。こんな会社の会社員だとは思われたくはなかった。やっと、社長の挨拶が終わり一同ほっとした。
そして、今度は新婦の会社の支社長からの挨拶が始まった。その支社長も我が社の社長の話にカチンときたらしく、挨拶の中で、「社長さんも仕事に一生懸命なのは分かるが、このような席では仕事のことはぬきにして、二人の門出を祝いたい」といった内容の事を話していた。僕も同感だ。支社長の話で、しらけていた場が何とか取り繕えたようだった。
何とか式が終わった。僕たちはなんとなく気まづくてその場をすぐ立ち去った。何という人格の持ち主なのだろう、社長は。噂には聞いていたが、結婚式のお目出たい席でも、お金のことしか考えていないのである。金と女にゃきたねぇぜ、と聞いていたがやはり本当だった。
式が終わって、何日か経って新藤くんに打ち明けられたことがある。
式のあと、奥さんの会社の人達のところにいって、「今日はありがとうございました。」って挨拶したら、いきなり胸ぐらをつかまれて、「お前、幸せにしなかったらただじゃすまねぇぞ!。 こんな会社に勤めている奴のところに嫁いでいくのは可哀そうだ!!」って、怒鳴られて本当に恥ずかしかった。相手のご両親にも合わせる顔がないよ・・・。
このとき、僕は「この会社に勤めている聞は絶対に結婚しない。」と心に決めたのであった。
新藤くん、いつまでもお幸せに。
なぞの1億円ゴルフ企画
2011年07月23日
社長と根堀部長に呼ばれて僕は社長室にいった。その仕事は壮大な規模であった。何とゴルフ場7つのCI計画を作れというものである。僕には到底できそうもない壮大な仕事であった。たが、よく聞いてみると適当でもいいから、見た目を立派にして、ただ形だけ作ればいいようなのである。僕はまた、アースリースと組んで悪いことをするんだな、とピンときたが気にしないように仕事を進めた。
根堀部長は「一応、1億円の仕事だから、それなりに頼むわ。」といって、いやな仕事にはまったな、という表情で立ち去った。そして僕の仕事が始まった。
適当な写植でゴルフ場のロゴタイプをつくり、適当な言い訳を考えた。ロゴマークは現在あるゴルフ場のものを適当に変形させて作った。さらにアプリケーションツールに関しては必要なイラスト(ティーとかコースターなどすべて)をデザイン会社に発注し、それにロゴマークもどきやロゴタイプもどきを貼り込んで一丁上がり!という、本当に適当なものであった。そういえば、適当なクラブハウスのパースも作ったし、立体のミニコース模型も作ったなあ。
僕はそれを格調高いファイルにまとめ、根掘部長に渡した。根掘部長はそれを一応チェックし、一緒に社長室に向かった。僕は「見た目が立派であるので大丈夫」、ということを説明した。社長は大変気にいったらしく、
「根堀くん、これ俺が直接もって行くから、今月伝票切っといて。」
「1億円でいいんですか?。」
「そうだ。」
社長との会話はこの程度で終わり、この仕事はこれで終わった。しかし1億円とは一体どういうところから出てきた数字なのだろうか。はっきりいってこの仕事、使ったお金は40万円くらいだし、ほとんどが利益。この会社の通常の利益から計算すると9ヵ月分ぐらいの利益を稼いでいるのである。どうせ、ろくなお金なわけないと思ってはいたが、すぐにそれは理解できた。
実はアースリース、このとき最近の土地暴落などで数千億の赤字があり、安西社長の家もすべて担保となっており、空前の灯火となっていたのだ。僕は推理した。佐々木広告社の主な株主はアースリースの安西社長の奥さんである。自分の会社がなくなって財産がすべて没収されても、株主配当で奥さん名義のお金が入ってくるのである。きっと、この1億円をスルーさせるつもりなのだろう。すげえ奴らだと思いながらも、ウラが取れないので誰にもいわずに黙っていることにきめた。
根堀部長は「一応、1億円の仕事だから、それなりに頼むわ。」といって、いやな仕事にはまったな、という表情で立ち去った。そして僕の仕事が始まった。
適当な写植でゴルフ場のロゴタイプをつくり、適当な言い訳を考えた。ロゴマークは現在あるゴルフ場のものを適当に変形させて作った。さらにアプリケーションツールに関しては必要なイラスト(ティーとかコースターなどすべて)をデザイン会社に発注し、それにロゴマークもどきやロゴタイプもどきを貼り込んで一丁上がり!という、本当に適当なものであった。そういえば、適当なクラブハウスのパースも作ったし、立体のミニコース模型も作ったなあ。
僕はそれを格調高いファイルにまとめ、根掘部長に渡した。根掘部長はそれを一応チェックし、一緒に社長室に向かった。僕は「見た目が立派であるので大丈夫」、ということを説明した。社長は大変気にいったらしく、
「根堀くん、これ俺が直接もって行くから、今月伝票切っといて。」
「1億円でいいんですか?。」
「そうだ。」
社長との会話はこの程度で終わり、この仕事はこれで終わった。しかし1億円とは一体どういうところから出てきた数字なのだろうか。はっきりいってこの仕事、使ったお金は40万円くらいだし、ほとんどが利益。この会社の通常の利益から計算すると9ヵ月分ぐらいの利益を稼いでいるのである。どうせ、ろくなお金なわけないと思ってはいたが、すぐにそれは理解できた。
実はアースリース、このとき最近の土地暴落などで数千億の赤字があり、安西社長の家もすべて担保となっており、空前の灯火となっていたのだ。僕は推理した。佐々木広告社の主な株主はアースリースの安西社長の奥さんである。自分の会社がなくなって財産がすべて没収されても、株主配当で奥さん名義のお金が入ってくるのである。きっと、この1億円をスルーさせるつもりなのだろう。すげえ奴らだと思いながらも、ウラが取れないので誰にもいわずに黙っていることにきめた。
太田くんには気をつけなさい
2011年07月23日
この会社は基本的に営業主体の会社であるから、朝、営業の人達が出掛けると会社には、社長と経理部の人と業務部の人と製作の僕しかいなくなる。僕は仕事柄、業務の人達とは会話する機会が多く、結構和気あいあいに仕事をしていた。そんなところを社長は見て、あまりよい気持ちはしていなかったようである。ぼくは、社長に呼ぱれて社長室に向かった。
「八木くん、太田くんのこどう思う。」
「別に、どうってことないですけれど。仕事ではいろいろ世話になってますから。」
「太田くんはな、俺のこと恨んでいるんだ。俺には分かるんだ。ああやって結婚しないのもいろいろあってな。何にも知らない振りしてな、実はひそかに俺の足を引っ張っているんだ。八木くんも気をつけろ。あの女は表と裏がひどくてな。だまされるなよ。」
僕は社長の訳の分からないアドバイスを延々と聞かされた。どうやら僕が業務の人と仲良く仕事をしているのが気に入らないらしい。僕は「そんなこと気にしない」と思いながら部屋を出たが、やっぱり何か気になる。仕事で太田さんと話しても、どことなくよそよそしくなる自分が少し変だった。
ある日、この話を青竹さんにした。
「なんだ、そんなこと。それって誰にでもいうんだよ。経営の仕方っていうの。社員が仲良くみんなでなにかしているうちはいいけど、もし皆が社長に文句言い出したら大変でしょう。だから、社内で仲良く仕事していると必ず「○○くんはお前のこと悪くいってたぞ」とかその双方に個別にしゃべっるのさ。そうすると不信感が出て来て、仲が悪くなるさ。皆が協カしないから社長はいつも安泰ってわけ。」
僕は社長の術中にはまっていたってわけか。なかなかすごい会社だぜ。マイナス思考の塊みたいで、楽しい。僕は少し考え、これを利用して皆をくっつけたら社長は焦るんだろうと思い、ちょっとした実験を試みた。それは太田さんに「社長にこういわれたがどうしたらいいの?」と、相談することであった。
「太田さん、俺さあ、社長に、変なこと言われてさ。太田さんに気をつけろって事なんだけど、ひどい社長だね。俺を恨んでいるとか、裏表が激しいとかいう訳よ。太田さんも誰かのこといわれてない?。」
太田さんはこのことにものすごく怒りだし、「信じられない」とかいって社長がますますいやになったようである。まずは作戦成功。でもこんな何の役にもならないようなことをやらなきゃならない会社なんてちょっといやになってくる。まともな会社で働きたくなって来たぜ。
「八木くん、太田くんのこどう思う。」
「別に、どうってことないですけれど。仕事ではいろいろ世話になってますから。」
「太田くんはな、俺のこと恨んでいるんだ。俺には分かるんだ。ああやって結婚しないのもいろいろあってな。何にも知らない振りしてな、実はひそかに俺の足を引っ張っているんだ。八木くんも気をつけろ。あの女は表と裏がひどくてな。だまされるなよ。」
僕は社長の訳の分からないアドバイスを延々と聞かされた。どうやら僕が業務の人と仲良く仕事をしているのが気に入らないらしい。僕は「そんなこと気にしない」と思いながら部屋を出たが、やっぱり何か気になる。仕事で太田さんと話しても、どことなくよそよそしくなる自分が少し変だった。
ある日、この話を青竹さんにした。
「なんだ、そんなこと。それって誰にでもいうんだよ。経営の仕方っていうの。社員が仲良くみんなでなにかしているうちはいいけど、もし皆が社長に文句言い出したら大変でしょう。だから、社内で仲良く仕事していると必ず「○○くんはお前のこと悪くいってたぞ」とかその双方に個別にしゃべっるのさ。そうすると不信感が出て来て、仲が悪くなるさ。皆が協カしないから社長はいつも安泰ってわけ。」
僕は社長の術中にはまっていたってわけか。なかなかすごい会社だぜ。マイナス思考の塊みたいで、楽しい。僕は少し考え、これを利用して皆をくっつけたら社長は焦るんだろうと思い、ちょっとした実験を試みた。それは太田さんに「社長にこういわれたがどうしたらいいの?」と、相談することであった。
「太田さん、俺さあ、社長に、変なこと言われてさ。太田さんに気をつけろって事なんだけど、ひどい社長だね。俺を恨んでいるとか、裏表が激しいとかいう訳よ。太田さんも誰かのこといわれてない?。」
太田さんはこのことにものすごく怒りだし、「信じられない」とかいって社長がますますいやになったようである。まずは作戦成功。でもこんな何の役にもならないようなことをやらなきゃならない会社なんてちょっといやになってくる。まともな会社で働きたくなって来たぜ。
新卒3人入社、このバカを採ったのはどこのバカだ?
2011年07月23日
桜にはまだちょっと早い春だった。今日は朝から見慣れない奴らが来ている。そういえば新卒を採ったとは聞いていた。目の前にいるのは。金持ちそうなデブと、単なる現代っ子、それと水商売風の茶色の髪のオネーサンである。
9時を過ぎ社長が出動して来てやっと朝礼が始まった。各自自己紹介を終えて席に着いた。デブは渡部といい、現代っ子は村山といい、水商売風の女は野又というそうだ。なんかしょうがない奴らであった。三人はとりあえず空いている席に座らされた。
突然、社長が部長たちを呼び、会議が始まった。そうなのである。社長は採用したのはいいが、どこの部に配属するかなど、何ひとつ決めていなかったのである。きっと、部長たちに至っては、新卒を採ったことなど何も聞かされていなかったに違いない。
また、始まったと僕は思った。この会社の特徴で、いきあたりばったり。
突然、羽貴君が社長室に呼ばれた。羽賀君は根掘部長のもとで新田自動車の中古車を担当している、ちょっと自閉症ぎみの男性である。会議が終わり、社長室から全員出て来た。突然羽賀君が机を片付け始めた。なんと、転部だそうである。羽貴君は根掘部長のもとから180度方針の違う三上部長のもとへと移ることとなった。勘のいい人たちには、あからさまに退職を迫られていることは明白であった。単なる嫌がらせであろう。
こんな騒動の後、新人たちの配肩先が決まった。渡部と野又は根掘部長のところへ、村山は三上部長のところへと。
僕は仕事の関係上、根掘部長の所とは関係が深く、渡部、野又とはその日のうちに一緒に仕事をすることとなった。話して行くうちに渡部は単なる金持ちの息子で、親の会社を継ぐのがいやだからここを受けたと言う。そして、ボンボンに育てられているので、先輩もあったもんではない。先が思いやられる。
さらに野又である。根っから水商売のオネェーちゃんになるために生まれて来たような性格である。もう、男に上手に媚びる。水商売が大嫌いな僕にはとても耐えられる人間ではなかった。
一週間ほどたったある日である。野又は何を勘違いしたのか、仕事にレザーのミニスカートをはいて来た。これには全員呆れた。彼女が言うには。モデルになりたいそうである。「なったらいいさ」と僕は思った。
取引先からも、なんだかんだといわれていた。なんでこんな奴らを採用したのであろうか。採ったのは社長である。入を見る目がないのは分かっていたが、これではあんまりである。
ちなみに、野火のデスクは入社当日、社長のデスクにびったりくっついて置いてあった。秘書にでもするつもりだったのであろうか。 女と、金に狂っている会社である。こんなことがあっても社内ではあたりまえのことになりつつあるのがすこし怖い、と僕は思っていた。
追伸、渡部は2ヵ月後、親の会社を継ぐといって退職した。さらに、転部した羽賀君は成績不良ということでクビになった。
その後社長は
「渡部が辞めるんだったら、羽賀をくびにしなくてもよかったなぁー。」
と、皆に聞こえるような大きな声で独り言を言っていた。
9時を過ぎ社長が出動して来てやっと朝礼が始まった。各自自己紹介を終えて席に着いた。デブは渡部といい、現代っ子は村山といい、水商売風の女は野又というそうだ。なんかしょうがない奴らであった。三人はとりあえず空いている席に座らされた。
突然、社長が部長たちを呼び、会議が始まった。そうなのである。社長は採用したのはいいが、どこの部に配属するかなど、何ひとつ決めていなかったのである。きっと、部長たちに至っては、新卒を採ったことなど何も聞かされていなかったに違いない。
また、始まったと僕は思った。この会社の特徴で、いきあたりばったり。
突然、羽貴君が社長室に呼ばれた。羽賀君は根掘部長のもとで新田自動車の中古車を担当している、ちょっと自閉症ぎみの男性である。会議が終わり、社長室から全員出て来た。突然羽賀君が机を片付け始めた。なんと、転部だそうである。羽貴君は根掘部長のもとから180度方針の違う三上部長のもとへと移ることとなった。勘のいい人たちには、あからさまに退職を迫られていることは明白であった。単なる嫌がらせであろう。
こんな騒動の後、新人たちの配肩先が決まった。渡部と野又は根掘部長のところへ、村山は三上部長のところへと。
僕は仕事の関係上、根掘部長の所とは関係が深く、渡部、野又とはその日のうちに一緒に仕事をすることとなった。話して行くうちに渡部は単なる金持ちの息子で、親の会社を継ぐのがいやだからここを受けたと言う。そして、ボンボンに育てられているので、先輩もあったもんではない。先が思いやられる。
さらに野又である。根っから水商売のオネェーちゃんになるために生まれて来たような性格である。もう、男に上手に媚びる。水商売が大嫌いな僕にはとても耐えられる人間ではなかった。
一週間ほどたったある日である。野又は何を勘違いしたのか、仕事にレザーのミニスカートをはいて来た。これには全員呆れた。彼女が言うには。モデルになりたいそうである。「なったらいいさ」と僕は思った。
取引先からも、なんだかんだといわれていた。なんでこんな奴らを採用したのであろうか。採ったのは社長である。入を見る目がないのは分かっていたが、これではあんまりである。
ちなみに、野火のデスクは入社当日、社長のデスクにびったりくっついて置いてあった。秘書にでもするつもりだったのであろうか。 女と、金に狂っている会社である。こんなことがあっても社内ではあたりまえのことになりつつあるのがすこし怖い、と僕は思っていた。
追伸、渡部は2ヵ月後、親の会社を継ぐといって退職した。さらに、転部した羽賀君は成績不良ということでクビになった。
その後社長は
「渡部が辞めるんだったら、羽賀をくびにしなくてもよかったなぁー。」
と、皆に聞こえるような大きな声で独り言を言っていた。
根掘部長クラッシュ
2011年07月23日
こいのぼりが泳ぎ回るには少し肌寒い朝だった。僕は最近、新人達のお守りを任され、少し疲れてきていた。
その目は、総務部長、社長、青竹副部長、新藤君が慌ただしく動き回っていた。そんな中、根掘部長が現れた。根掘部長と総務部長は揃って社長室に吸い込まれて行く。
午後になり、その事態は沈静化したようだった。僕は青竹副部長に何かあったかたずねた。
「根掘部長さぁ、また事故ってさ、こんどは廃車だって。」
「えっ、またですか?」
根掘部長の事故はこれで2回目であった。
「また、きのう飲みに行って、4時くらいに帰ったんだって。ついに居眠りして、根掘部長の家のすぐそばのガードレールに突っ込んだんだって。それで、朝の5時くらいに新藤君に電話して、迎えに来てもらって、宮城新田自動車に電話して、引き取りに来てもらったんだってさ。僕もさっき、宮城新田に行って来たんだけど、前輪の片方がないんだよ。よく怪我しなかったなぁって不思議なくらいだよ。」
「無事でなによりだけど、社長また、怒り出すんじゃないの?。」
「まっ、いつもの様になるでしょ。」
新藤君が眠そうな目をこすって帰って来た。僕はすかさず声をかけた。
「新ちゃん、どこ行って来たの?。」
新藤君は機嫌悪そうに答えた。
「ゴルフ場。」
「なんてまた?。」
「今日、根掘部長事放ったのは知ってるよね。で、今日、根堀部長と社長は接待でゴルフなんだよ。車を廃車にしてもゴルフに行くって言うから、俺に送って行けていうんだ。いいかけんにしてほしいよ。あわれブルーバード。根掘部長に運転されなかったらもっと長生き出来だのに。」
こう言って新藤君は不機嫌そうに笑った。
翌日、いつもの様に社長室から怒鳴り声が会社中に響いていたのであった。
その目は、総務部長、社長、青竹副部長、新藤君が慌ただしく動き回っていた。そんな中、根掘部長が現れた。根掘部長と総務部長は揃って社長室に吸い込まれて行く。
午後になり、その事態は沈静化したようだった。僕は青竹副部長に何かあったかたずねた。
「根掘部長さぁ、また事故ってさ、こんどは廃車だって。」
「えっ、またですか?」
根掘部長の事故はこれで2回目であった。
「また、きのう飲みに行って、4時くらいに帰ったんだって。ついに居眠りして、根掘部長の家のすぐそばのガードレールに突っ込んだんだって。それで、朝の5時くらいに新藤君に電話して、迎えに来てもらって、宮城新田自動車に電話して、引き取りに来てもらったんだってさ。僕もさっき、宮城新田に行って来たんだけど、前輪の片方がないんだよ。よく怪我しなかったなぁって不思議なくらいだよ。」
「無事でなによりだけど、社長また、怒り出すんじゃないの?。」
「まっ、いつもの様になるでしょ。」
新藤君が眠そうな目をこすって帰って来た。僕はすかさず声をかけた。
「新ちゃん、どこ行って来たの?。」
新藤君は機嫌悪そうに答えた。
「ゴルフ場。」
「なんてまた?。」
「今日、根掘部長事放ったのは知ってるよね。で、今日、根堀部長と社長は接待でゴルフなんだよ。車を廃車にしてもゴルフに行くって言うから、俺に送って行けていうんだ。いいかけんにしてほしいよ。あわれブルーバード。根掘部長に運転されなかったらもっと長生き出来だのに。」
こう言って新藤君は不機嫌そうに笑った。
翌日、いつもの様に社長室から怒鳴り声が会社中に響いていたのであった。
1億5千万円の経常利益
2011年07月23日
この会社は地方の広告代理店の小規模のネットワークに加入している。ネットワークといっても仕事の付き合いはほとんど無く、年に一度、代表者が集まって飲んで騒ぐ程度のものだが。今年もその会議があり、代表に千田部長と関谷くんが選ばれた。そのときには各社のその年の売上や利益などを報告しあうのである。
会議が終わり関谷くんがおもしろいものを見せてくれた。それは各社の売上などが表になっているものである。そのなかで比較して見るとなかなかおもしろい事実が浮かび上がる。我が社は経常利益が一番多く何と1億5千万円、人件費率や平均給料は一番低く、経費率が一番高い変な会社であることが分かった。
この数字が正しければ働いている人にとってはあまりよろしくない。総人件費が8千万円もないのに経常利益が1億5千万円もあるのである。少しは給料払えよ、と思ったがこの社長ではな、と思いやる気がなくなった。
でもこの数字にはマジックがある。前にも書いたように、あの1億円のゴルフ場企画が含まれているからである。もし、本当にこの利益なら7千万円以上の事業税を支払わなければならず、この小さい街でそれだけ儲かっている会社ならすぐ番付に出てしまうのである。さて、どのように脱税したのであろうか。僕には謎だ。
今まで、会社の経費を少しでも押さえようとしていたが、タクシーとかばんばん使い、経費のことなど気にしないで仕事をするようになってしまった。それ以来、僕と関谷くんの合言葉は、「大丈夫。この会社は儲かっているから。」になってしまった。
追伸、この会社は決算が7月なのでその年の番付には出ないのだが、翌年の番付にもやはり出ていなかった。税金払えよ、捕まる前に。
会議が終わり関谷くんがおもしろいものを見せてくれた。それは各社の売上などが表になっているものである。そのなかで比較して見るとなかなかおもしろい事実が浮かび上がる。我が社は経常利益が一番多く何と1億5千万円、人件費率や平均給料は一番低く、経費率が一番高い変な会社であることが分かった。
この数字が正しければ働いている人にとってはあまりよろしくない。総人件費が8千万円もないのに経常利益が1億5千万円もあるのである。少しは給料払えよ、と思ったがこの社長ではな、と思いやる気がなくなった。
でもこの数字にはマジックがある。前にも書いたように、あの1億円のゴルフ場企画が含まれているからである。もし、本当にこの利益なら7千万円以上の事業税を支払わなければならず、この小さい街でそれだけ儲かっている会社ならすぐ番付に出てしまうのである。さて、どのように脱税したのであろうか。僕には謎だ。
今まで、会社の経費を少しでも押さえようとしていたが、タクシーとかばんばん使い、経費のことなど気にしないで仕事をするようになってしまった。それ以来、僕と関谷くんの合言葉は、「大丈夫。この会社は儲かっているから。」になってしまった。
追伸、この会社は決算が7月なのでその年の番付には出ないのだが、翌年の番付にもやはり出ていなかった。税金払えよ、捕まる前に。
バブル崩壊
2011年07月23日
その目の日刊工業新聞には、とても興味深い記事が載っていた。佐々木広告社の親会社であるアースリースがバブル崩壊で、大変な負債をしょい込んだというものである。その額は2000億とも4000億とも言われていた。もし、アースリースが倒産したらどうなるのか?、社員の大体は理解していた。
実は、この件はアースリース拒当の根掘部長と製作担当の僕は一年ほど前から分かっていた。
その目は、やたら電話が多かった。その電話のほとんどは各媒体の皆様で、内容は「もしアースリースが倒産したらお宅も倒産するのか?」ということであった。はっきり言えばその通りなのであるが、それはロが裂けても言えない。
「大丈夫です。」
この言葉をただ繰り返した。
その日も終わり、ただなんとなく根掘部長と飲みに行った。根掘部長はとんでもない話を切り出した。
「実は社長から別会社を作んないかって言われてる。社長はアースリースが倒産すると思ってるみたいで、倒産したら自分の財産すべて取り上げられるから、自分だけよければいいと思って、俺が社長をやって別会社を作ってそこに財産を隠すつもりなんだな。こんな考え方じゃ、うまく行くものもうまく行かなくなるぜ。もちろん、俺は断ったけど、とんでもないおやじだな。」
根掘部長は吐き捨てるように言い、グラスを重ねて行った。
「断って大丈夫なんですか?。あの社長の事だから、報復がありますよ。」
「別にいいよ。別会社作ったところで、タイミングをみて俺は首になるんだから。」
僕は、またとんでもないことを聞いてしまったと思った。社長は会社や社員を守る気は一切なかったのである。株主の皆さんに言ってってやろうか、とも思ったが、あとで何かされるのも嫌なので、何も言わず黙っていた。
その後、この話を蹴った根掘部長は左遷させられたのは言うまでもない。
実は、この件はアースリース拒当の根掘部長と製作担当の僕は一年ほど前から分かっていた。
その目は、やたら電話が多かった。その電話のほとんどは各媒体の皆様で、内容は「もしアースリースが倒産したらお宅も倒産するのか?」ということであった。はっきり言えばその通りなのであるが、それはロが裂けても言えない。
「大丈夫です。」
この言葉をただ繰り返した。
その日も終わり、ただなんとなく根掘部長と飲みに行った。根掘部長はとんでもない話を切り出した。
「実は社長から別会社を作んないかって言われてる。社長はアースリースが倒産すると思ってるみたいで、倒産したら自分の財産すべて取り上げられるから、自分だけよければいいと思って、俺が社長をやって別会社を作ってそこに財産を隠すつもりなんだな。こんな考え方じゃ、うまく行くものもうまく行かなくなるぜ。もちろん、俺は断ったけど、とんでもないおやじだな。」
根掘部長は吐き捨てるように言い、グラスを重ねて行った。
「断って大丈夫なんですか?。あの社長の事だから、報復がありますよ。」
「別にいいよ。別会社作ったところで、タイミングをみて俺は首になるんだから。」
僕は、またとんでもないことを聞いてしまったと思った。社長は会社や社員を守る気は一切なかったのである。株主の皆さんに言ってってやろうか、とも思ったが、あとで何かされるのも嫌なので、何も言わず黙っていた。
その後、この話を蹴った根掘部長は左遷させられたのは言うまでもない。
事務所のレイアウト変更
2011年07月23日
年末も押し迫ったとある日、また社長に呼び出され社長室に向かった。何の話かと思い、面倒臭そうにしていた。社長はこう切り出した。
「正月に俺の後輩の庄司という奴を営業部長で入社させることにした。もうひとつ部を作るから、会社の机の配置を考えてくれないか。このことは誰にも言うな。」
ということであった。なぜ誰にもしゃべってはいけないのか、理解できなかったが、僕はしょうがなくレイアウトをしていた。しょっちゅう森副部長が「何してるのや・・。」とチェックにくる。
一応できあがったので社長に見せに行った。社長は気に入らないようで、社長の言い分を入れて作り直し、社長のOKをもらい実行する日を待った。
いざ事務所のレイアウト変更の当日である。本当に誰も知らなかったみたいで、何で勝手に人の机を動かすんだって怒り出す人や、いいかげんに締めている人など大変な状態に。僕はただ「社長の命令でやっているだけ。」と言うしかなかった。庄司さんという人が入社するのも知らない人がほとんどである。何故机が増えているのか理解してもらうにはなすすべがない。めんどくさいので僕は庄司さんが入社することを皆に告げ、一応その場を繕った。
もうどうでもよかった。特に千田部長は手がつけられないくらい怒っていた。
「なんで俺の机動かすのや。おれ何も聞いてないぞ。電話もないところで仕事をしろってか。どうなっているんだ。」
こんな感じでからむからむ。一部始終を話、やっと理解してもらった。でも、なぜ社長は部長たちに事前に話をしないのだろう。本当に訳の分からない会社だ。秘密主義というか、いきあたりぱったりというか。下で働いている方は「いいかげんにしてよ。」て、言いたくなるこの頃です。
「正月に俺の後輩の庄司という奴を営業部長で入社させることにした。もうひとつ部を作るから、会社の机の配置を考えてくれないか。このことは誰にも言うな。」
ということであった。なぜ誰にもしゃべってはいけないのか、理解できなかったが、僕はしょうがなくレイアウトをしていた。しょっちゅう森副部長が「何してるのや・・。」とチェックにくる。
一応できあがったので社長に見せに行った。社長は気に入らないようで、社長の言い分を入れて作り直し、社長のOKをもらい実行する日を待った。
いざ事務所のレイアウト変更の当日である。本当に誰も知らなかったみたいで、何で勝手に人の机を動かすんだって怒り出す人や、いいかげんに締めている人など大変な状態に。僕はただ「社長の命令でやっているだけ。」と言うしかなかった。庄司さんという人が入社するのも知らない人がほとんどである。何故机が増えているのか理解してもらうにはなすすべがない。めんどくさいので僕は庄司さんが入社することを皆に告げ、一応その場を繕った。
もうどうでもよかった。特に千田部長は手がつけられないくらい怒っていた。
「なんで俺の机動かすのや。おれ何も聞いてないぞ。電話もないところで仕事をしろってか。どうなっているんだ。」
こんな感じでからむからむ。一部始終を話、やっと理解してもらった。でも、なぜ社長は部長たちに事前に話をしないのだろう。本当に訳の分からない会社だ。秘密主義というか、いきあたりぱったりというか。下で働いている方は「いいかげんにしてよ。」て、言いたくなるこの頃です。
携帯電話購入
2011年07月23日
うわさによると、我が社には携帯電話かあるらしい。首の皮一枚でつながっているスボンサーのNTT様のお付き合いで、どうも購入したらしい、と言うのだ。最近、よく話題にのぼるのである。
僕は冗談半分で総務部長にたずねてみた。
「部長、金庫に携帯電話しまってるって本当ですか?。」
「よく分かってるね。あるよ。でも使っちゃだめなんだな。社長はあんたたちみたいな人がおもしろがって使ったら、高いんだから金の無駄遣いになるっていってるから、こっちで保管してるんだよ。文句ある。」
いつもの様に総務部長は高飛車である。それにしても、イベントなどしょっちゅう電話のない不便な所の仕事が多くて連絡が大変なのに、会社はこんなもんである。大切に金庫にしまわなくてもいいと思うが、皆さんはどう思いますか?
追伸、これから半年位たってこの携帯電話は社長のフライベート用として使われだしたそうです。社長はおもしろがって暇があれば電話をしていると言う。外から会社に電話をかけて、
「こんなところからも通じるかぁ。」とか、「あっ、通じている。じゃぁ。」
とか言ってすぐ切ってしまうそうである。けれども、この電話には電話をかけることはできません。それは電話番号を知っている人は社内にはいないから・・・。
僕は冗談半分で総務部長にたずねてみた。
「部長、金庫に携帯電話しまってるって本当ですか?。」
「よく分かってるね。あるよ。でも使っちゃだめなんだな。社長はあんたたちみたいな人がおもしろがって使ったら、高いんだから金の無駄遣いになるっていってるから、こっちで保管してるんだよ。文句ある。」
いつもの様に総務部長は高飛車である。それにしても、イベントなどしょっちゅう電話のない不便な所の仕事が多くて連絡が大変なのに、会社はこんなもんである。大切に金庫にしまわなくてもいいと思うが、皆さんはどう思いますか?
追伸、これから半年位たってこの携帯電話は社長のフライベート用として使われだしたそうです。社長はおもしろがって暇があれば電話をしていると言う。外から会社に電話をかけて、
「こんなところからも通じるかぁ。」とか、「あっ、通じている。じゃぁ。」
とか言ってすぐ切ってしまうそうである。けれども、この電話には電話をかけることはできません。それは電話番号を知っている人は社内にはいないから・・・。
金の振り子、曽田退社、渡りに船だ・・・
2011年07月23日
「八木君、ちょっと!」と呼びだされ、僕は社長室へと向かった。もちろん呼んでいるのはあの社長である。ここのところ僕は社長のお気に入りとなって、くだらないことでしょっちゅう呼ばれては、本当にくだらない話しに付き合わなければならなかった。はっきりいって、うんざりしていた。しかし、今日の話の内容はちょっと込み入った話のようだ。
「曽田が今日の朝、退職願いを出してきてな。お前、何か思い当たることはないか。千田部長に聞いても全然分からないっていってるんだけど。」
僕は驚いていた。せっかく仕事も少し覚えてきたときなのに。でも、大体は察しはついていた。それはきっとTハウスの件であろう。だがしかし、この話は社長にいうべきものではないであろう。原因は社長にあるのだから・・・。僕は少し間をおいて口を開いた。
「わたしには分かりません。突発的なんじゃないですか。それと、わたしは曽田とはあまり仲が良くないんで、プライベートとかはわかりません。」
僕はこう言ってこの場を逃れたかった。しかし話は意外な方向に展開していった。それは、野又の事だった。さすがに社長といえども彼女には肝を煮やしていたようだった。日増しに茶色くなる髪の毛、濃い化粧、ハデな洋服、男に媚びるしゃべり方、どれを取っても日中の会社員とは程遠いものであったが、そんな彼女を面接して採用したのは誰だったんだっけ。
社長の話では、取引先からもクレームがきているから何とかしたい、ということなのだが、はっきり言えばクビにしたいんだけどどう思う、というものだった。
「いゃぁ、そうですか。そうは言ったって入社させたんだから、最後まで面倒を見るべきですよ。部長から正式に注意をしてもらって、しばらくは様子を見るべきです。」
僕はこう言ってこの場を逃れたかった。社長の性格上ここでなにか言ってしまうと、いざという場合に「八木君がそう言っていたから。」とかいって責任を他入になすり付ける事がしばしばだったので、いつも結論を言わないような注意していたのであった。
そのときである。社長は自分の机からなにか小さな包みと社員名簿を取り出してきて、目の前のテーブルの上に置いたのであった。僕はなにかよく分からなかったが、社長の行動に目を見張っていた。社長はその小さな包みの中から金製の振り子を取り出し、おもむろに社員名簿のうえでダウンジングを始めたのだった。
「こいつは大丈夫だ。ほら見てみろ。」
社長はそう言いながら社員名簿の名前のうえでその小さな振り子を振り読けた。
「ちょっと見てみろ。こいつとこいつは俺を恨んでいる。わかんねぇか、お前。振り子が逆回転してる。ほら、よくみてみろ。」
僕はしょうがなく言っていることに返事をしていた。何を言っていても返事はひとつであった。
「はい、そうですねぇ。」
「ほら言った通りだ、野又と吹雪は俺のことを恨んでいる。こいつらには気をつけないとな。」
社長が言うにはこの二人の名前の上だけ、振り子の回転が逆になる、ということだが僕にはどう見ても、この二人の名前の上でだけわざと回転を逆にしている様にしか見えなかった。それはどうしてかと言うと、社長のひじの動きがこの二人の名前の上だけ変に動いているのである。そうまでしてこの二人を辞めさせたいのかと馬鹿らしくなった。僕は表向きは話を合わせるように努めた。
「本当ですね。この二人の上だけ回転が逆になりますね。不思議だぁ。」
社長は得意そうな顔付きになった。
「このことは誰にも言うな。二人だけの話だぞ。」
僕はもうどうでもよくなってきた。考えてみるとテレビの心霊特別番組などで、それらしき人がやっているのを見た記憶がある程度のダウンジングを、それも五十過ぎのおじさんが真顔でやっているのである。僕はこのとき、近い将来この会社を退社することを確信した。
翌日、僕はまた社長室に呼ばれた。
「八木君。渡りに船とはこういうことを言うんだ。よく聞け。野又が今日退職願いを出したんだ。お前の言うとおりだ。黙っていれば辞めるんだなぁ。」
社長は上機嫌だった。
「そうですかぁ。」
僕は社長室を退室した。そして、あの言動に思いのほか腹が立った。
「渡りに船?。そんなこと、言っていいことと悪いことがあるのを知らねぇのか、あの馬鹿オヤジは!!!。」
心のなかでこう叫んでいた。今まで生きてきて、こんな馬鹿な奴は初めてである。このころから僕は仕事をする意欲がほとんど無くなっていった。
「曽田が今日の朝、退職願いを出してきてな。お前、何か思い当たることはないか。千田部長に聞いても全然分からないっていってるんだけど。」
僕は驚いていた。せっかく仕事も少し覚えてきたときなのに。でも、大体は察しはついていた。それはきっとTハウスの件であろう。だがしかし、この話は社長にいうべきものではないであろう。原因は社長にあるのだから・・・。僕は少し間をおいて口を開いた。
「わたしには分かりません。突発的なんじゃないですか。それと、わたしは曽田とはあまり仲が良くないんで、プライベートとかはわかりません。」
僕はこう言ってこの場を逃れたかった。しかし話は意外な方向に展開していった。それは、野又の事だった。さすがに社長といえども彼女には肝を煮やしていたようだった。日増しに茶色くなる髪の毛、濃い化粧、ハデな洋服、男に媚びるしゃべり方、どれを取っても日中の会社員とは程遠いものであったが、そんな彼女を面接して採用したのは誰だったんだっけ。
社長の話では、取引先からもクレームがきているから何とかしたい、ということなのだが、はっきり言えばクビにしたいんだけどどう思う、というものだった。
「いゃぁ、そうですか。そうは言ったって入社させたんだから、最後まで面倒を見るべきですよ。部長から正式に注意をしてもらって、しばらくは様子を見るべきです。」
僕はこう言ってこの場を逃れたかった。社長の性格上ここでなにか言ってしまうと、いざという場合に「八木君がそう言っていたから。」とかいって責任を他入になすり付ける事がしばしばだったので、いつも結論を言わないような注意していたのであった。
そのときである。社長は自分の机からなにか小さな包みと社員名簿を取り出してきて、目の前のテーブルの上に置いたのであった。僕はなにかよく分からなかったが、社長の行動に目を見張っていた。社長はその小さな包みの中から金製の振り子を取り出し、おもむろに社員名簿のうえでダウンジングを始めたのだった。
「こいつは大丈夫だ。ほら見てみろ。」
社長はそう言いながら社員名簿の名前のうえでその小さな振り子を振り読けた。
「ちょっと見てみろ。こいつとこいつは俺を恨んでいる。わかんねぇか、お前。振り子が逆回転してる。ほら、よくみてみろ。」
僕はしょうがなく言っていることに返事をしていた。何を言っていても返事はひとつであった。
「はい、そうですねぇ。」
「ほら言った通りだ、野又と吹雪は俺のことを恨んでいる。こいつらには気をつけないとな。」
社長が言うにはこの二人の名前の上だけ、振り子の回転が逆になる、ということだが僕にはどう見ても、この二人の名前の上でだけわざと回転を逆にしている様にしか見えなかった。それはどうしてかと言うと、社長のひじの動きがこの二人の名前の上だけ変に動いているのである。そうまでしてこの二人を辞めさせたいのかと馬鹿らしくなった。僕は表向きは話を合わせるように努めた。
「本当ですね。この二人の上だけ回転が逆になりますね。不思議だぁ。」
社長は得意そうな顔付きになった。
「このことは誰にも言うな。二人だけの話だぞ。」
僕はもうどうでもよくなってきた。考えてみるとテレビの心霊特別番組などで、それらしき人がやっているのを見た記憶がある程度のダウンジングを、それも五十過ぎのおじさんが真顔でやっているのである。僕はこのとき、近い将来この会社を退社することを確信した。
翌日、僕はまた社長室に呼ばれた。
「八木君。渡りに船とはこういうことを言うんだ。よく聞け。野又が今日退職願いを出したんだ。お前の言うとおりだ。黙っていれば辞めるんだなぁ。」
社長は上機嫌だった。
「そうですかぁ。」
僕は社長室を退室した。そして、あの言動に思いのほか腹が立った。
「渡りに船?。そんなこと、言っていいことと悪いことがあるのを知らねぇのか、あの馬鹿オヤジは!!!。」
心のなかでこう叫んでいた。今まで生きてきて、こんな馬鹿な奴は初めてである。このころから僕は仕事をする意欲がほとんど無くなっていった。
二目で退職した男
2011年07月23日
今年も新人が入って来た。名前は平賀という。今年26歳、新卒ではなく中途採用である。以前は某日刊自動車新聞にいたそうである。ちょっとキザっぽいやつだが、新人が入ってくるとちょっとうれしい。
が、しかし、仕事が始まると彼は一人取り残されていた。なぜかと言うと、この会社では、新人教育と言うものはなく、足手まといになるから誰も相手にしない。新人の教育をしているのなら、その時間を自分の仕事に費やして少しでも売上を延ばさないとならないのである。困った風習だ。新人を伸ばす気がない、したがって、いつまでたっても仕事の領域は変わらないので、最低限の自分の売上は確保できるのである。
しかし、年々ノルマは上がってくるが新人を育ててないので、仕事を引き継ぐことはできない。だから、負担が増える。それで、新人を見ている時間が取れない。この連鎖がいつまで続くのか、第三者が見たらきっと笑ってると思う。
そんなことで、彼が入社して二日目。退職したい旨を千田部長に告げたのである。その理由がなかなか悲しくなるものだった。この会社を受けたときほかの会社も受けていて、そちらから昨日合格の知らせがあったそうで、そっちのほうが第一希望だったから、ということである。
第一希望の会社とはどんな会社だったんだろう。聞いてみると、医療器具の小さな販売会社ということで、ちょっとびっくりした。彼にはそちらのほうが魅力的だったんだろう。
それにしてもである。
一応、入社して会社のムードとか内容とかが分かっている会社よりも、まだ入社していない会社を天秤にかけ、そっちの会社の方がいいと判断された会社、そう、わたしが勤務しているこの会社、会社の外にいる人は、そういう判断をするのだろうか?。
なんとなくさみしいような、辛いような、考え直さないとならないぞ、この会社、と声を大にして言いたいが、私の会社じゃないのでどうでもいい。この社長だからどうでもいいと、投げやりな気分にさせる出来事だった。
が、しかし、仕事が始まると彼は一人取り残されていた。なぜかと言うと、この会社では、新人教育と言うものはなく、足手まといになるから誰も相手にしない。新人の教育をしているのなら、その時間を自分の仕事に費やして少しでも売上を延ばさないとならないのである。困った風習だ。新人を伸ばす気がない、したがって、いつまでたっても仕事の領域は変わらないので、最低限の自分の売上は確保できるのである。
しかし、年々ノルマは上がってくるが新人を育ててないので、仕事を引き継ぐことはできない。だから、負担が増える。それで、新人を見ている時間が取れない。この連鎖がいつまで続くのか、第三者が見たらきっと笑ってると思う。
そんなことで、彼が入社して二日目。退職したい旨を千田部長に告げたのである。その理由がなかなか悲しくなるものだった。この会社を受けたときほかの会社も受けていて、そちらから昨日合格の知らせがあったそうで、そっちのほうが第一希望だったから、ということである。
第一希望の会社とはどんな会社だったんだろう。聞いてみると、医療器具の小さな販売会社ということで、ちょっとびっくりした。彼にはそちらのほうが魅力的だったんだろう。
それにしてもである。
一応、入社して会社のムードとか内容とかが分かっている会社よりも、まだ入社していない会社を天秤にかけ、そっちの会社の方がいいと判断された会社、そう、わたしが勤務しているこの会社、会社の外にいる人は、そういう判断をするのだろうか?。
なんとなくさみしいような、辛いような、考え直さないとならないぞ、この会社、と声を大にして言いたいが、私の会社じゃないのでどうでもいい。この社長だからどうでもいいと、投げやりな気分にさせる出来事だった。

